第292回:《探偵》探偵事務所とトラブル発生。そんな時は?
悩みがあるから勇気を出して探偵事務所に相談をしに行ったのに、その探偵事務所でトラブルが起きる……という可能性はゼロではありません。ただこれは、探偵事務所だから、という意味ではなく、どこの業界でも起こることです。
例えば不動産会社と土地の売買や賃貸などでの話をしている時に、100%トラブルになる事はない、なんて言えませんよね。何%かの人は、トラブルになっています。それは、不動産会社に問題がある場合もありますが、不動産会社との意思の疎通が上手くいっておらずトラブルになる場合や、お客さんの方に問題がある場合など、様々です。
このように、他の業界でも起こりえることが、探偵事務所でも起こりえます。誰が問題でトラブルになっているのかは、ケースバイケース。ですが、探偵業界の場合は、探偵のことを知らない方が、探偵に相談をしているため、トラブルになってしまう可能性は、もしかすると他の業界よりも多いかもしれません。
コラムでも何度か書いていますが、探偵事務所の見分け方や契約の仕方、解約の仕方などはかなり重要なところです。
探偵事務所の見分け方は、問題を含んでいる事務所と、正規の探偵事務所をどう区別するのかについて書いているので、探偵事務所に相談をする前にぜひ読んでほしいコラムです。ここで見分けるのを間違えてしまうと、問題を含んでいる事務所に相談をして、大きなトラブルに発展したり、高額請求をされてしまったりすることもあります。
探偵事務所の見分け方はいくつかあります。まず優良な探偵事務所は、探偵業の届出をしており、届出番号を公安のホームページで検索した際に、一度も違反を起こしていないというのが最低条件です。
探偵事務所と名乗るには、探偵業の届出は必須なのですが、未だに出さずに探偵事務所や一般の人が見たら探偵事務所と間違うような表記の事務所の名前を出して、仕事をしている人たちがいます。
探偵業の届出は、何か資格がいるものではないですし、届出を出すのにそんなに時間もかかりませんし、手間もかかりません。ですが、届出をすると定期的に公安の人が事務所に来て違法なことをしていないかチェックをし、違法があればそれを公安のホームページに貼り出します。
つまり初めから詐欺行為をしようとしている人たちであれば、探偵業の届出をするわけがない、というのはわかりますね。
ですが、この探偵業の届出のことを知らない方がまだまだいるため、初歩的なところで探偵事務所選びに失敗をしてしまう人がいます。もちろん、詐欺行為を働こうとしている事務所が見つかれば、すぐに警察が動くのですが、こういった形態の事務所は潰しても潰しても新しくできてしまうところがあるので、ゼロにはできないという背景もあります。
とはいえ、全体の総数で言うと、詐欺行為を行っている事務所は少ないとは言えます。
次に、気にしてほしいのが、探偵事務所のホームページに書かれている、どんな調査ができるのかという項目です。浮気調査、不倫調査、行方調査など、こういった項目が書かれているのは普通なのですが、中には別れ工作など「工作」という言葉を使っている探偵事務所も存在しています。
探偵は調査はしますが、工作はしません。調査は真実がどうなのかを調べるためのものですが、工作は真実を捻じ曲げて自分に都合のいいように誘導するためのものです。前者は社会的にも何も問題がありませんが、後者は社会的に問題があります。場合によっては犯罪に当たる場合もあります。
お金を出して誰かに犯罪をしてもらったら、実行犯だけが罪に問われるわけではなく、お金を出した人も罪に問われるということをご存じでしょうか?
つまり、「〇〇工作」と堂々とホームページに書いている問題のある探偵事務所は、依頼人が犯罪者になる事も理解した上で、書いているということです。もちろんこういった事務所も、犯罪の物証が出てきた時点で罪に問われ事務所は解散するのですが、探偵業の届出をしない事務所と同じで、潰してもまた新しい問題のある探偵事務所が現れるため、ゼロにはなりません。ですので、依頼をする側の方も知っておいた方がいいといえます。
と、ここまで探偵事務所側に問題がある場合のトラブルについて書きましたが、探偵事務所側だけに問題があるわけではなくても、トラブルは起こります。
依頼人側に問題があるケースは、途中解約の時と実際に調査料を支払う時に起こりやすいと言えるでしょう。
途中解約をする際の注意点は、探偵事務所と契約を結ぶときに、探偵側も説明をしているのですが、依頼人は強い意志を持って探偵に調査をしてほしいと思って探偵事務所まで来ているため、自分が途中解約をしたいと思うことはないと決めつけている方が一定数いらっしゃいます。
ですが、日常生活はシナリオ通りに動くものではないため、どうしても途中解約をしざるをえない状況になる場合もありますし、意気込んで探偵に調査を依頼してみたものの、家に帰ってみたら怖くなって解約したくなる場合もあります。
ですが、契約を結ぶときに、途中解約の説明をされていても、自分には関係がないと思い込んでいたため、ちゃんと聞いておらず、どうして途中解約をするのに、こんなに違約金を支払わなくてはいけないんだというような金銭トラブルが多くあります。
もう一つの調査料を支払う時のトラブルも、本来は契約を結ぶときに話をしているはずなのですが、理解をしていなくても、とにかく調査をしてほしい一心で調査をしてもらうケースで起こります。
調査前に、探偵事務所側から調査料の見積書が出てきますが、実際はそこに書かれている金額が調査料とはならないことがほとんどです。なぜなら、概算でこれぐらいになるだろうという予測のもとに書かれているからです。例えば、不倫調査で1回の調査で証拠を手に入れた場合と、3回の調査で証拠を手に入れた場合では人件費や設備費が変わってくることはわかりますよね?
というように、実際に調査をしてみないと、最終的な調査料がいくらになるのかはわかりません。もちろん、調査の回数を増やす際には、プラス料金になる事は伝えていますが、それでもトラブルになる事があります。
ただ契約を結ぶ前に話をしているので、その時に自分が理解できるまでしっかりと話を聞くことで、トラブルは未然に防ぐことは出来ます。
こういったトラブルがと来た時、どうすればいいのかというと、当協会のような探偵協会にご連絡ください。探偵とのトラブルに関しての相談を受け付けています。その際に、公平な目で、どちらの問題だったのかについてもお話しすることができます。
トラブルになってしまった時は、一人で悩まずに、お気軽にご相談くださいね。
← <探偵コラム目次へ戻る>
東京都調査業協会 苦情相談窓口
〒101-0032 東京都千代田区
岩本町2-6-12 曙ビル402号
TEL:03-3861-2301(代)