第282回:《探偵》探偵に相談をするのに必要なこと
探偵に相談をするなら、何の準備が必要で、何を知っていなければいけないのか、という事を考えたりしませんか?
クローズドの世界なので、何が必要で何が不要なのかがよく分からないのが、一般の人からの探偵に対する見え方ではないでしょうか。
それなのに、探偵に依頼をしたいと思った時は、すでに切羽詰まっている状態になっているため、事前準備ができません。依頼をしたいと思っていない時に、現実の探偵がどういうものなのかを調べる人もいないでしょう。いるとしたら、いわゆる探偵マニアだけです。
探偵の実情や探偵の裏側といったものは、検索すればある程度は出てきますし、元探偵や現役探偵が書籍を出している場合もあります。YouTube、TikTok、X(旧Twitter)などでも情報を出しているところもあります。
ですが、いざ探偵に相談をしようと思っている人が見ない場合がほとんどです。相談をしたい人は、相談がしたいのであって、実情が知りたいわけではないからというのもあります。それでも、相談をする業界の実情はある程度知っておかないと、場合によってはトラブルに繋がることもあるので、何が必要なのかは知っておく必要があります。
というふうに、探偵業界というのは色々と矛盾が生じる場所です。業界自体は矛盾していないのですが、業界に対するアクションの方法が矛盾しています。
もちろん中には、普段から探偵マニアで、色々な情報を仕入れていた人が、配偶者の不倫の可能性に気付き、嬉々として探偵に依頼をするというケースもあります。ありますが、探偵マニアの場合、探偵に依頼をする前に、自分で調査をしようとしてしまうケースもあります。
探偵業界が好きだからこそ、探偵のテクニックを普段から見たり聞いたり読んだりしているので、自分でも調査ができるのではないかと思ってしまうからです。
友だちや知り合いの旦那さんや奥さんの浮気調査を勝手に行うと、法に触れてしまう部分も多々出てくるため、してはいけないのは原則ですが、自分の夫や妻の浮気調査をする場合は、法に触れづらくなるので、法律的にはやり過ぎなければ問題はない可能性はあります。
ただ法には触れなくても、毎日見ている夫や妻に尾行されると、相手に気付かれやすいというのはあります。
例えばですが、街を歩いていて信号で立ち止まっている時に、何気なく見た方向に夫や妻がいた場合、あそこに夫や妻がいるなとすぐに認識できますよね?
ですがこれが、全く知らない顔の人が自分の方を見ていた、もしくは目が合ったとしても、その人のことを認識できるでしょうか?
こっちを見ていたと感じても、目が合ったと感じても、たまたまこっちを向いていただけだろうとか、たまたま目が合っただけだろうというふうに考えて、すぐにその人を自分の意識から消してしまうのではないでしょうか?
家から会社への通勤時間が1時間だった場合、そういう風に感じた人が何人いたでしょうか?そして、その人たちの顔をもう一度思い浮かべてみてと言われても、思い出せる人はいないのではないでしょうか。
ですが、家から会社への通勤時間内に、もし夫や妻の顔を見かけたら、その事実を覚えているはずですし、2度、3度と見かけたら、不自然に感じませんか?
場合によっては、その日に帰宅してから、「今日何度か見かけたけど何してたの?」と相手に聞かれることもあるでしょう。その時に何と答えるのでしょうか。
という風に、同じ家族が尾行をするとバレやすいため、お勧めは出来ません。さらに相手が本当に不倫をしていた場合は、不倫を感づかれて証拠を握ろうとしているという風に思われてしまう可能性も非常に高いと言えます。
そうなると、不倫相手と会う時、不倫相手と連絡を取る時に警戒をするので、不倫の証拠を手に入れる難易度が上がったり、そもそも疑われている間は自宅では連絡を取り合わない、外でも会わない、もしくは外で会っていても疑われない時間を見つけて会いに行く、ということをする可能性があります。
また探偵の得意とする分野の一つが尾行スキルですが、この尾行をどうやって行っているのかをちゃんと周知しないのにも理由があります。
検索ワードで「探偵 尾行 方法」という風に検索する人が、不倫をされている側だとは限らないからです。不倫をしている側が警戒心の強い人であれば、もし妻や夫に怪しまれていると感じたら、探偵がどうやって尾行をするのかを調べ、自分の中で隙がないように行動しようとする人も中にはいます。
不倫の証拠は状況証拠だけであっても、もちろん問い詰めることは出来ますが、相手が認めない場合もありますし、逆切れする場合もありますし、状況証拠だけでは離婚をして慰謝料を貰うことができない場合があります。
相手に完全に不倫を認めさせるためには、確証が必要です。もちろん、尾行の難易度が上がったとしても、探偵は証拠を持ってくることは出来ますが、難易度が上がれば上がるほど、調査期間が延びる可能性はあります。そうなると、必然的に調査料金も上がってしまうので、依頼をする側にとっては喜ばしいことではありません。
そういう理由もあって、探偵は自分の手の内をインターネット上にアップしていないという場合もあります。
最後に、探偵相談するのに必要なことは何なのかと言うと、やはりどんなに焦っていても、探偵事務所の選び方などの記事をいくつか読んで、探偵事務所の吟味をすることが一番大事です。
すぐに相談をしないといけないという場合は、一般的にはそれほどないはずです。ひっ迫しているとしたら、事件に巻き込まれていたり、行方不明になっている子どもがいたりする場合だけです。それ以外のケースは、探偵事務所の吟味をするのに1、2週間かけたとしても何の問題もないでしょう。
それぐらいの時間をかけても、探偵事務所の吟味をするのは大事だという事だけ覚えておけば、探偵事務所選びで失敗する確率は下がりますし、あなたが欲しいと思っている真実を知ることも出来るでしょう。
探偵に相談をする場合は、焦らず動じず落ち着いて、出来る限り冷静な判断ができるようにして下さいね。
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