第278回:《探偵》配偶者に浮気をされると何故ダメージを受けるのか
夫婦も長年一緒にいると実家と同じで家族になります。とくに夫婦の間に子どもがいると、夫と妻というよりは、お父さんとお母さんという面が強く出てしまうため、お互いに異性として見なくなる傾向があるからです。
これは、それが問題というよりも、それが一般的ということです。夫婦の間に子どもがいて、それでもお互いに異性として意識し合っている夫婦もいますが、少数派です。
お互いに異性として見ないようになっていると、他の人も配偶者のことは異性としては見ていないだろうというふうに思い込んでしまいます。夫婦のスキンシップがなくなっていても、配偶者が浮気をしていることを知った時にショックを受けるのは、そのせいなのかもしれません。
また、お互いに異性として見ていないということは、相手から異性として見られていないということもわかります。自分のことは異性として見ていないのに、浮気相手のことは異性として見ているということも、ショックを受ける一因です。
配偶者に今さら異性として見てほしいという気持ちは全くなくても、他人を異性として見ていることは許されないという、やや複雑な感情が人間ともいえるでしょう。
配偶者の気持ちを引き留めたいという思いはなくても、浮気は許されないというのは、そういう感情から来ているのかもしれません。
もちろん、夫が浮気をしていることに対して、妻が怒る場合、夫が他の女性の前でオス化していることよりも、夫が家に入れるはずのお金を、他の女に入れているということの方が許せない、という場合もあります。
男性よりも女性の方が家を大事にする傾向がどうしてもあるので、夫が稼いだお金は全て家族のものという意識が強い人が多いからでしょう。
高収入の夫側が、家に入れる毎月の金額を決めていて、不倫をしているせいでいつもの金額を入れられなくなったという場合は、妻が怒るのも納得できます。しかし、不倫をしていても、いつも通りの金額を家に入れていても、不倫相手にお金を遣っていること自体が許せないという妻も大勢います。
不倫相手に使うぐらいなら、そのお金でサプライズのプレゼントをして欲しい、高級料理を家族で食べに行きたい、と考えるからです。
では反対に、夫がヒモとなり、不倫相手の女性に全部奢ってもらっている場合は、どうなのでしょうか。
夫が不倫をしていると感づいた時点で、奢ってもらっているということはわからないかもしれませんが、稀にそういうケースも存在します。その場合、妻としては複雑な感情になるでしょう。
不倫相手にお金を遣っているのではなく、時間しか使っていない場合、夫に対して本当は自分も女性として見られたいという欲求を抱えていない限り、目をつぶるという可能性もあります。
ただこれが反対の場合はどうでしょうか?
妻側が不倫をしている場合、基本的には男側がお金を出しているので、妻はお金を出していません。
しかし夫側は妻側とは違い、不倫相手にお金を遣っていることが許せないというわけではなく、自分以外の男と肌を重ねていることが何よりも許せないことで、ショックを受けることです。だから不倫相手がお金を出していることに対しても、妻が不倫をしていても家のお金を遣っていなくても、抵抗感があります。
夫婦の間で、すでに異性として見ていなかった妻が、他の男の前でメス化していることも、許せることではないでしょう。
普段は見向きもしていない相手であっても、自分のものという所有感は持っているので、それを他人に奪われていることは許せないことだからです。
お互いに思いあっている夫婦なのに、片方が浮気をしていたという場合は、客観的に見てもショックを受けるのは理解できます。しかし、お互いにもう完全に気持ちがなくなっていても、片方が浮気をしていた事実を知ることで、ショックを受けるのは、そういった人間の複雑な気持ちがあるからでしょう。
ただ、配偶者が浮気をしているかもしれないと気付いても、確固たる証拠がない場合がほとんどです。何となく普段と違う行動を取っている、スマホを隠れてみるようになった、スマホを操作している時にニヤニヤしている、生活時間が変わった、外出が増えたなどがあれば、変だなと思うものです。
ですが、「もしかして浮気かも?」と思っても、それをすぐに信じる人はいません。多少モヤモヤするぐらいでしょう。なぜなら、まさか一緒に生活をしている人が浮気をしているなんてことは、非現実的だと思うからです。
しかし怪しい行動が続くと、不安が強くなり、一度探偵に調査をしてもらうか、という考えに至ります。そして、探偵に調査を依頼し、不倫の証拠が出てしまうと、その場で頭が真っ白になってしまう人もいます。
不倫を疑っていたから調査を依頼したのに、いざ本当に不倫をしている証拠を見るとショックを受ける人がほとんどです。疑っている状態の方が気持ちが楽だったという人も中に入るかもしれません。
しかし、現実を受け止めずに目を逸らしていると、相手に対する不信が強くなり、結局別れを選んだり、熟年離婚に繋がったりします。
配偶者が不倫をしていても気にせず、お金だけ家に入れてくれれば、家事を全部してくれていれば、という風に割り切って考えられる場合だけ、不倫という現実から目を逸らすのもありでしょう。ですがそれ以外の場合はどうしてもほころびが出てしまうものです。
ただ、不倫の証拠を配偶者に突きつけ、不倫相手と別れてもらい、もう一度家族としてやり直したい、という場合も、この不倫の証拠は重要です。
初めはやり直したいと考えていても、不倫の証拠を見た時点で、離婚したいというふうに考えが変わる人もいますが、そこは人の気持ちなので柔軟に捉えればいいかと思います。
現実と向き合うのは怖い、というところはあります。しかし、モヤモヤしたまま配偶者を疑い、配偶者が本当に不倫をしている場合は家族を裏切る行為を見逃していると自覚することも辛いことです。
はっきりさせるかしないかは、自分の気持ちがどちらの方が楽なのかを考えてから行動するのが一番です。もしはっきりさせたいとなったら、探偵に相談して下さい。依頼人の心に寄り添って調査をさせていただきます。ん。そうすることで、探偵業界がどういうもので、どういう相談を聞いてくれて、どういう料金体系になっているのかも、分かるようになります。
また、数ある探偵事務所の中から、一つの探偵事務所に絞ることができないという場合は、探偵協会に連絡をするのも一つの方法です。探偵協会では探偵に関する苦情も受け付けていますが、探偵選びのサポートもしてくれます。こういう悩みを抱えていて、ということを伝えることで、信頼できる探偵事務所を紹介してくれますので、迷った時には探偵協会に相談をしてみて下さいね。
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