東京都調査業協会

探偵コラム

第276回:《探偵》探偵とのトラブルが起きた場合はどうすればいい?

探偵事務所に相談に行ったのに、探偵ともトラブルを起こしてしまった、という話は実はそんなに稀な話ではありません。もちろん、頻繁に起きているというわけでもないのですが、やはり探偵業界のことを知らなさすぎるからこそ、トラブルに繋がっているケースは見受けられます。

探偵事務所とトラブルになりやすいのが、途中解約、最終調査料金です。またそれに加えてあるのが、正規の探偵事務所ではない所に相談をしてしまった場合や、一応正規の探偵事務所ではあるものの甘い説明をしてしまうタイプの探偵がいる場合です。

探偵に相談をしたいと思う一般の人は、基本的に追い詰められた状態であることがほとんどです。そのため、焦って相談をしに来る人が多いのも特徴です。

ですが、普段から探偵業界がどういうところなのかを考えたことも、調べたこともない人がほとんどでしょう。

探偵というのが、現実世界にも存在するということは知っていても、その実態はよくわかっていません。

ネットが普及してから、探偵が物語の探偵のように、殺人事件を解決したりするわけではないということは知っていたとしても、自分とは無関係の存在という意識があるため、そんなに注目もしていないというのが実情でしょう。

探偵イコール浮気調査という認識を持っている人も多いのですが、自分の配偶者が浮気をするかもしれない、その証拠をつかむために探偵に相談をするかもしれないと思って結婚をする人も、ほとんどいません。

通常は好き同士だから結婚をしたり、家の問題で結婚をしたり、将来のことを考えて結婚をしたりしているため、相手が不倫をする可能性を考えて結婚をしたりしません。だから、探偵が浮気調査や不倫調査が得意ということは知っていても、自分には関係がないと思って調べる人はいないというわけです。

探偵に相談事がなくても、探偵業界のことを調べている人がいるとしたら、同業者か、探偵業に入ろうとしている日とか、探偵マニアです。この探偵マニアは、今も一定数います。現実と物語の探偵の区別がついている人もいれば、区別がついていない人もいるため、危ない人もいたりします。

ただそういう人しか、事前に探偵のことを調べていないので、何も情報を得ていない状態で、さらに追い詰められた状態で探偵事務所を探すので、失敗も出てきてしまう傾向があります。

人は追い詰められていると、普段は視野が広くても、かなり狭くなってしまうものです。そのせいで、ちょっとした違和感を見落としたり、違和感があってもそういうものだと自分の中で勝手に結論付けたり、そもそも相手を疑うということを忘れている場合もあります。

そのために、探偵とのトラブルが発生しているともいえます。

探偵に相談をする人の特徴として、これまで誰にも相談ができなかったことを、ようやく相談できることで、相談をしただけで満足してしまう場合があります。

誰にも相談ができないからこそ、本当は誰かに聞いてもらいたかったという気持ちがあるからです。そして、その自分の秘密を共有した人に対して、無条件で信頼を置いてしまいます。

探偵との契約というのは、依頼内容をすべて把握したうえで、見積金額を出してからになります。つまり、依頼人が相談をした状態では、まだ契約は結ばれていないということです。ですが依頼人側は、相談をした状態で契約が完了している気持ちになっているため、相談後に探偵の見極めをしようという気持ちが少ないため、怪しげな偽の探偵に騙されたり、探偵が大事なことを言っているのを聞き逃したり、契約内容でよくわからないことがあっても、そのまま聞き流したりして、のちのトラブルに繋がってしまっていると言えます。

かといって、契約前なのであれば、全てを話すことは出来ないという風には出来ません。契約後に黙っていたことを伝えることで、契約内容が変わる可能性があるからです。

ただ依頼人が探偵事務所内で話した相談内容は契約前であっても、その後契約をしなかったとしても、探偵には守秘義務があるので、それを誰かに話したりはしないので安心して下さい。そのことについては、相談前に探偵側から説明があるはずです。もしなければ、その探偵事務所はやめた方が良いでしょう。

相談前にも、探偵を見極めることは出来ますが、相談後から契約までの間にも見極める方法はあります。そして、契約について説明を受けている時に分からないことがあれば、理解できるまで聞くことが大事です。

探偵業界では常識のことでも、それが一般的には常識とは限らないので、質問をすることは恥ずかしいことではありません。相談をしてしまったから、もう契約するしかないという考えはやめた方が良いでしょう。

そして、このコラムでも何度も伝えていることですが、正規の探偵事務所との間に起こりやすいトラブルは、途中解約の場合です。

探偵と契約を結ぶというのは、これまで探偵と接してきたことがない人にとっては未知の領域のはずです。時間がかかっても、契約書を渡されたらじっくり読み込むことをお勧めします。次の予定があるからと、もし探偵側に言われた場合は、そこで契約をするのではなく、契約書を持ち帰って確認してもいいかを聞きましょう。

また何度もお伝えしているように、探偵に相談に行く人というのは、追い詰められている人のため、正常な判断ができなくなっている場合があります。探偵との契約書は、出来ればもう一人、冷静な目で読むことのできる人に読んでもらった方が安全です。ただそうなると、相談者の秘密にしたいことも共有することになってしまうので、難しいと思う人もいるかもしれませんが、トラブル回避には繋がるでしょう。

また、第三者がいることで、正規の探偵とそうではない探偵を見極められる可能性も高くなります。第三者は当事者とは違って冷静な判断ができるので、不自然なことを相手が言っていれば指摘してくれるでしょう。

深い悩みを抱えて探偵に相談をしているのに、その探偵とトラブルになってしまうのは、一番避けたいことです。出来るだけ冷静になって探偵に相談をすることで回避は出来るはずですので、しっかり見極めていきましょう。

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