東京都調査業協会

探偵コラム

第232回:これって違法?合法?モヤッとする探偵事務所と出会ってしまったら

探偵業界のことを100%理解してから、探偵に依頼をする人はどれぐらいいるでしょうか?おそらく1割も満たないのではないかと思います。

ある程度探偵業界のことをわかっている人でも、それほど詳しい人はいないかもしれません。もしいたとしたら、実際に探偵として働いていたことがある人ぐらいでしょうか。

つまり、ほとんど探偵のことはわかっていないものの、誰にも解決できない悩みができると、勇気を振り絞って探偵に相談をしているということです。初めて連絡を入れる探偵事務所からの返信や電話。きっと、企業でなければ、本当に連絡を入れて良かったのかなと不安になりながら応答をするのでしょう。そして、契約をするために探偵事務所へ向かう。探偵からは、契約内容についての説明を受けるとは思うのですが、ほとんどの方は通常の精神状態で聞いているわけではないので、ちゃんとした言葉が耳に届いていない場合もあります。

そして契約をし、家に帰ってみると、そこでようやく我に返るという人もいますし、探偵から初めの中間報告を聞いてから我に返ることもありますし、最後の報告書を受け取る時に我に返ることもあります。冷静になってみると、「あれ?これって……」と思うことがあっても不思議ではありません。ただ、冷静になってみたところで、契約は終わっていますし、そもそもの探偵業界の常識を理解しているわけではないので、そういうものなのかどうかの判断がつきません。

そんな時はどうすればいいのでしょうか。何も言えずに、ただ「これってどうなの?」と思うだけで終わってしまうのでしょうか。人によっては消費者センターに電話をかければいいのではないかと思って電話をすることもあります。ですが、他にも探偵事務所のことで相談できる場所があります。それが探偵協会です。

探偵協会は全国にいくつか存在しています。全国規模の協会もあれば、地区ごとの協会もあります。もちろん、当協会、東京都調査業協会もその一つです。探偵事務所に対する苦情や相談窓口にもなっているので、何かあれば相談ができる場所です。

「こういうことがあったんだけど、これって普通のことなの?」
「これってどうしてこうなるの?」
「これって詐欺じゃないの?」

探偵のことをどこよりも知っている探偵協会なので、どうしてそうなっているのかのわかりやすい解答をさせていただいています。実際にこれまでも相談の連絡が来たことがありますが、中には本当に詐欺のものから、契約書に明記されているので詐欺ではないものまで様々ありました。

探偵事務所を名乗っている中には、悪徳探偵と言われる組織も存在しているので、そういったところに引っかかってしまった場合は、すぐに連絡をしてください。ご自身で対応するのが難しい場合もあります。

また中には、通常の探偵事務所なのに、騙されたと言って怒っていらっしゃる方もいます。それは、途中解約をした方のケースが多くあります。

探偵に相談をし、契約をしたものの、家に帰ってみると何となく怖くなって、やっぱり契約をやめたいと思ったり、探偵を雇ってまで調べてもらうことでもないと思いなおしたり、理由は様々あります。ですが、契約をする時は、自分が途中解約をすると思っていないので、目の前の探偵が途中解約時にはどうなるのかということを丁寧に話をしていても、聞いていない場合があります。

勇気を持って探偵に相談をし、契約をしているのですから、自分には関係がないと思っても仕方ありません。そして、契約をしてすぐの途中解約なら、支払うお金はゼロ円でいいと思い込んでいる方が多く、それが探偵事務所への苦情として上がることがあります。

これは探偵業界を知らないからこそ、起きている事とも言えます。

探偵に依頼をしている側からすると、契約をしても10日以内の解約ならクーリングオフができるのではないかと考えたり、契約をしてから1時間で途中解約を申し込めば事務所は何もしていないのだから支払う必要はないのではないか、と考えがちです。ですが実際には、探偵事務所は契約をして、依頼人が事務所を出た後に調査のための準備を始めます。

依頼内容にもよりますが、尾行のルートの確認や機材の手配、調査員の手配、下調べ等々。依頼人が、たった1時間と言っている間に、すでに探偵は時間とお金を遣っている可能性も高いので、契約をした日に途中解約をしても、ゼロ円ですむことはありません。実際、途中解約をした場合には、どれだけのお金が必要になるのかも契約書に書いてありますし、こういったトラブルが多いのを知っているので、契約前には探偵側も依頼人に対して丁寧な説明をしています。それを聞いていなかったのは依頼人側ということになり、解約金を支払いたくないと言っても、契約書がある限り、その契約書に書かれている金額を支払わなければいけません。

また、一時問題になったのが、「結果が出なければタダ」といううたい文句で、探偵事務所が依頼人確保のために貼りだしていたことがありました。現在はこの言葉は誤解を生みやすいので、使わなくはなってきています。どういった誤解が生じるのかというと、例えば浮気調査を依頼した場合、「結果が出なければタダ」という言葉を信じて、依頼をしたとします。調査の結果、対象者は浮気をしていませんでした。となった場合、依頼人はお金を支払う必要があるでしょうか?

答えは「ある」です。結果が出なければタダなのに、どうして?と思うかもしれませんが、「浮気をしていなかった」という結果が出ているため、金銭が発生しているのです。では、「結果が出なければタダ」はどういう状態のときに有効になるのかというと、例えば浮気調査をしている途中で探偵の存在が対象者にバレた時です。この場合は、結果を出せないということが確定しているので、依頼人は探偵に支払う必要はありません。というのが、「結果が出なければタダ」のからくりです。

この言葉に勘違いをして、たくさんの苦情の連絡が来たことがあります。「結果が出なければタダ」を悪意を込めて使っているところもあれば、悪意は特になく使っているところもありましたが、現在は悪意を持っていない人は、言葉の意味をちゃんと依頼人に説明をしてから契約をしてもらうようにしています。

こんな風に、何か探偵事務所への苦情や「これはどうなの?」ということがあれば、お気軽に探偵協会にご相談ください。

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