東京都調査業協会

探偵コラム

第183回:《探偵》日常生活の中に潜む日常を壊す行為

いつかきっと、自分は探偵に依頼をすることになる。
と思っている人は、どれぐらいいるのでしょうか。

おそらくは、ゼロなのではないでしょうか。

もちろん、大企業の人事部に所属していれば、所属をし始めた頃に先輩から話を聞いて、いつかは自分が探偵に依頼をする日が来るのかもしれないと思うことはあるかもしれません。

ですが、おそらくはそれぐらいでしょう。

探偵に一度でいいから依頼をしてみたいな、と思っているミステリーファンはいるかもしれませんが、それでも実際には依頼をすることになるとは思っていないはず。

ただ初めから好意的に探偵のことを見ているので、何かが起きた時に、自分の事ではなくても、誰かの相談を聞いた時に「それ、探偵に相談をすれば何とかなるかも!」という風にひらめくことはあるかもしれませんが。

テレビやドラマでも、名探偵ホームズのように有名な探偵ものではなく、事件モノの中で出てくる探偵を、現実の探偵に寄せて描くことが増えてきました。そのため、探偵は殺人事件を推理する人ではないし、刑事から一緒に捜査をしてほしいと言われるような立場でもないということを知っている人が増えてきているように思います。

ただ、創作の中で出てくる探偵は、浮気調査やなくしもの調査やお金持ちのペット探しをしているぐらいなので、探偵イコール浮気調査か金持ちの相手をする職業という印象を持っているようにも思います。

そのため、自分が探偵に依頼をすることになるとは、思っていないのです。

浮気調査なら、誰にでもあることでしょ?

と思うかもしれませんが、世の中で浮気をしている人が大勢いたとしても、なぜか自分の配偶者だけは浮気はしないと思い込んでいるのが、私たちです。

他人事だから、人の浮気の話には飛びつきます。もし、自分が本当に浮気をされたことがあれば、そんなに気軽に人の浮気の話を噂したりはしません。若い頃に浮気癖のある恋人と付き合ったことのある人であれば、浮気に対する耐性がついているかもしれませんが、そうでもない限り、浮気をされるということが、どんな気持ちになるのかということを理解していない人が大半なのではないでしょうか。

だから、自分が探偵に相談をしに行く可能性がある、とは全く思っていません。

もう一つ、探偵に相談をする内容として一般的なのが「人探し」です。

自分では探せないからこそ、探偵に調査を依頼します。

ですが、これも普段から探偵に相談をすることになるかもしれないと思っている人がいないものです。

人は突然消えます。
前触れがある人もあれば、何の前触れもなくいなくなる人もいます。

消える人というのは、痴呆症になって迷子になってしまう場合もありますが、それだけではありません。大抵は、意志を持って消えてしまいます。

実際には多いことがわかっているのに、現実味のないイジメやいやがらせ。それによって、全てが嫌になって逃げだしたり、もう逃げるしか道がないと思い込んで消えることもあります。

家族で消えることもあれば、被害に遭っていた人だけが消えることだってあります。

ですが、それを普段から意識しているでしょうか。

イジメや嫌がらせの数は浮気をしている数とほぼ変わらないか、もしかするとこちらの方が多いかもしれません。その被害に遭っている人すべてが消えてしまうわけではありませんが、消える可能性はあるのは確かです。

でも、私たちの子どもは消えたりしない。私の親は消えたりしない。私の友人は消えたりしない。と、そう思い込んでいませんか?

イジメや嫌がらせを受けている人というのは、それを受けていること自体が恥ずかしいと思っている傾向があるため、それを誰かに相談することに勇気を必要とします。追い込まれて、切羽詰まっていたとしても、それでも誰にも言えない。親や家族や親友にも相談できない。でも苦しい。そして、消えるしかないと思って消えてしまうのです。

昨日まで楽しく遊んでいた友人が、今日の朝まで一緒に楽しく所持をしていた家族が、次の瞬間に消えていなくなる可能性は常にあります。

ですが、そんな想像をしたことのない人が多いので、急に消えてしまった時に、どうしたらいいのかわからなくて右往左往して、実際何もできないまま数日を過ごしてしまうということはよくある話です。

話はちょっと逸れますが、人探しの場合、いなくなった、その瞬間から早ければ早いほど見つかる可能性はあります。

人探しの依頼は、遠い昔に生き別れた母親を探してほしいとか、父親を探してほしいとか、そういう依頼がほとんどだと思っているかもしれませんが、それだけではないということも頭の片隅に置いていると、突然いなくなってしまった人を見つけられるかもしれません。

話を戻しましょう。
先ほども少し触れたのですが、イジメや嫌がらせに関しても、証拠を掴んで相手にイジメや嫌がらせをやめさせることができます。そのために探偵に調査の依頼をするということも可能です。

イジメや嫌がらせは、受けている側は中々人に相談ができないものかもしれませんが、家族がイジメに遭っているかもしれないと思った時にも、探偵に調査の依頼をすることができるので、覚えておくと、いざという時に行動に移すことができます。

イジメや嫌がらせは、昔から言われ続けていますが、ゼロになったことはありません。どこの学校でも必ずと言っていいほど存在しています。その中で、イジメを苦に自殺をしたという子どもはわずかかもしれませんが、子どもが何も言わないから放置をしていたというのは、後々後悔することになる可能性もあるということを忘れてはいけないことです。

思い過ごしかもしれない。けれど気になる、というときは、様子を見るのではなく、早めに探偵に相談をすると、イジメられているのか、イジメられていないのかの調査もしてくれます。

このように、探偵に相談をするというのは、意外と身近なことです。誰にでも探偵に相談をする可能性はある、という風に思っていれば、いざという時にすぐに行動を起こすことができ、問題事や心配事は最小限に抑えることができるかもしれませんよ。

また、このコラムでも何度か書いてはいますが、探偵に相談をする内容は浮気に関することだけではありません。薬もそうですし、嫌がらせやいじめも探偵に依頼することができます。

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