東京都調査業協会

探偵コラム

第181回:《探偵》人はなぜしてはいけないとわかっていることに手を出すのか

義務教育を卒業し、社会に出ていると、何をしてはいけないのかということを理解していない人はいません。中には、世間一般的には悪いことだとは知っているけど、自分だけは特別ルールで何も問題はない、と本気で思っている人もいるかもしれませんが、それはごくわずかでしょう。

もし本気で、自分だけは何をしても許されると思っているなら、全てをオープンにするはずだからです。

誰でも知っている悪いこととして、例えば薬を吸うこと。麻薬は犯罪です。

これを一般常識だと思っていない人はいないでしょう。吸っていてもバレなければいいと思っている人は大勢いますが、吸っていても自分は悪いことは何もしていないと思っている人はいないはずです。もしいれば、どの街中であっても、普通に吸っている人がいるからです。

ただ、同じ理論で言うと、歩きたばこをしている人は、決してゼロにはなっていません。これは、タバコを吸うことは悪いことだと思っていないかつ、以前は歩きたばこをしていても何も言われなかったのだから、国が勝手に作ったルールというぐらいにしか思っていないのかもしれません。もしくは、歩きたばこをして一度も取り締まられていないので、誰にも何も言われないなら悪いことじゃないと思っている可能性はあります。

「悪いこと」と、周りから思われていたとしても、自分が「悪いこと」と思わなければ、意味がないのでしょう。

私自身は見かけたことがないのですが、実際歩きたばこをしている人に声をかける警察官はどれぐらいいるのでしょうか?

罰金も数千円と金額が少ないのも気になっています。

歩きたばこは罰金の対象だと言われているのを知らない人は、現在の日本ではいないでしょう。それでも、歩きたばこをする人は隠れる意識もなく、堂々と歩きたばこをしています。こういった人に絡めば、絡んだ人はおそらくいちゃもんを付けられることになる、ということは、実際に声をかけなくてもわかることです。声をかける人が、たとえ警察であったとしても。

警察官もそれがわかっていると思うので、罰金も少額だし、面倒ごとになるのはわかっているので、歩きたばこをしている人を取り締まらないのかな、という見方をしてしまいます。ただきっと、警察官が歩きたばこをしていれば、人は糾弾するのだと思いますが。人間にはそういった身勝手なところが往々にしてあります。

話しはそれましたが、他にも誰もがわかっている「悪いこと」なのに、なくならないものがあります。

それは不倫問題。

一夫多妻制のある国もあるので、そういった国では一人の男性が、何人もの女性に手を出しても問題はありません。とはいえ、手を出した女性の面倒は見なくてはいけないという経済的な負荷はありますが。

ただ日本は、一夫多妻制ではありませんし、逆の制度もありません。

不倫を自由恋愛の一つだと言っている人が、世の中にはいますが、多くの人が「不倫」はしてはいけないことだと認識しています。

不倫をすることが男のたしなみだという言葉も、飲み屋で気が大きくなった男性が話していることを聞いたこともありますが、だからと言って、家族にも会社にも堂々と自分が不倫をしている姿を見せているかというと、そんなことはないでしょう。

家族公認で会社公認の不倫をしている人といえば、社長業の人や役員なんかは、そういう人もいますが、本当に一部しかいません。

「一部」というのは、公になっていない不倫の数が、人々が想像しているよりもはるかに多いからです。その絶対数からすれば、公表している不倫を行っている人は「一部」としか言えません。

不倫をしていて、家族にも会社にも言わないのは、してはいけないことだと理解しているからでしょう。不倫をしていると家族にバレれば離婚、慰謝料などの可能性が出てきますし、会社にバレれば出世コースから離脱したり、場合によってはクビを宣告したりするところもあるでしょう。

不倫は個人の問題ではあるのですが、世間一般的には「嫌悪」されるもののため、不倫をしているイコール会社のイメージが悪くなると考えている人もいます。

他にもあります。

それは「いじめ問題」です。

いじめをすることが、良いことだと本気で思っている人はどれぐらいいるのでしょうか?

いじめをしている側は、人をいじめることを肯定して、その価値観を周りにも押し付け、いじめる側の仲間を増やします。

いじめが悪いことではなく、慈善事業か何かなのであれば、もっとおおっぴろげにすればいいと思いませんか?

例えば就職活動の時に、「私はクラスメイトをいじめていた主犯格です。これだけの行動力があるので、御社でも役に立つと思います」と言える人がいるでしょうか?

クラス内、学校内では隠れずにいじめをしている人でも、社会に出れば、それを隠します。いじめられている側が何かを言って来ても「あんなの遊んであげていただけじゃない。マジにならないでよ」と言って逃げるものです。

クラスや学校に対しては下に見ているので、自分の横柄な態度がまかり通ると思っているため、堂々としていますが、採用される側に立つと話は変わります。

自分が悪いことをしている自覚があるということです。

では人はなぜ、それが「悪い」ことだとわかっているのに、手を染めてしまうのでしょうか。

自分の意志が弱いから?
それとも、悪いことは隠し通せれば「悪いことにならない」と、周りを下に見ているから?
もしくは、そもそも人間は欲に弱く打ち勝つことのできないものだから?

人生において、様々な「誘惑」はいつも近くにあります。

「悪い」ことをして、それが永遠に見つからないということも、もしかしたらあるかもしれません。ですが、見つからないことによって、より深みにはまって身を亡ぼす可能性もあります。

もし、あなたの近くに「悪い」ことをしている人がいるかもと思ったら、ぜひ探偵に相談をして下さい。

「悪い」ことを表面化させ、その人を野放しにしないことが、あなたのためにも、相手のためにもなることもあります。

探偵への相談は確証がなくても問題ありません。確証は探偵が調査をして提出させていただきます。

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