東京都調査業協会

探偵コラム

第139回:《探偵》法外な料金を探偵から請求されて泣き寝入りしないために

探偵に調査を依頼する方というのは、おそらくは悩みに悩んで、もうこれは探偵に依頼をするしかないと追い詰められている方がほとんどだと思われます。そのため、精神的にゆとりがなく、探偵が言ってきたことをすべて信じて、そういうものだと思ってしまう方もいます。

たしかに、ほとんどの探偵は良心的ですし、信じて下さって問題ありません。ただ、中には問題のある探偵がいるのも事実です。依頼人が何も知らないのを良いことに、好き勝手行っている探偵事務所もあるのです。もちろん、そういった探偵事務所は、摘発されればすぐに廃業に追い込むことができるのですが、またすぐに別の業者ができたりするため、完全になくすことができていません。

そうなると、依頼人様側でも、ある程度の探偵に対する知識を付けてもらうことが、今回のタイトルのような法外な料金を探偵から請求されないことに繋がります。

まず、常識のある探偵であれば、違法な調査はしませんし、犯罪の手助けになるような依頼は受けません。もし、探偵に相談をして、こんな調査ができますよと言われた時に、それが犯罪のような気がしたら、違法ではないのかを聞いてみて下さい。良識のある探偵社であれば、納得のいく説明をしてくれますし、良識のない探偵社であれば、「探偵は問題ないんですよ」というような言いかたをしてけむに巻くこともあります。

探偵は調査のプロですが、違法な調査を行ってもいいというような特権は持っていません。少なくても日本の探偵には、そういった権利はありませんので、依頼人側でもそのことを頭に置いておいてください。

あともう一つ、探偵に相談をする時に確かめてほしいのは、調査途中での途中経過を報告してくれるかを確認することです。良識のある探偵が調査を行うと、調査状況によっては、依頼者と相談しなければ、方向性を決められない時があります。それなのに、「途中経過での報告は、うちはやっていない」と言われたら、とりあえず、その探偵事務所とは契約をしない方がいいでしょう。

途中経過を報告するというのには、ちゃんと意味があります。もちろん、依頼者側が安心するためというのもありますが、途中経過を報告してもらうことで、勝手にお願いしていないような調査を追加で始めることを止めることができます。もし、途中経過を報告しないと言われた場合、探偵側が調査をしていて、これでは結果を得られないかもしれないから、追加でこの調査も増やそうと勝手に判断をして、調査終了後に、「結果的にこれだけの調査をすることになったので、追加料金が発生しました」ということを言いかねません。
それを阻止するためにも、途中経過の報告は重要だということです。

ここまでのことが、契約前にしておくべきことです。
探偵に対して不信がなく、問題がないと思えば、そのまま契約をすることになります。

探偵と契約をする際には、必ず契約書を探偵が用意してくれます。そこには、金額(追加料金が発生することがあるのか、解約はどういう時に行うのか、キャンセル料金はどのくらいかかるのかなど)のことやどういった取り決めがあるのかなども書かれています。

早く探偵に調査をしてほしいという気持ちもわかりますが、ここは冷静になって契約書を確認する必要があります。一人で確認するのが難しいと思ったら、探偵に調査を依頼していることがばれてもいい人にも見てもらうことをお勧めします。ただ、探偵に調査を依頼することを誰にも知られたくないと思っている人がほとんどですので、他に確認をしてもらう人がいない場合は、契約書を持ち帰って、1日経ってから改めて確認するのもいいでしょう。

依頼者が契約書をじっくり読みたいから時間が欲しいと言うのに対して、探偵が焦らせることはありません。もしあったとしたら、その探偵事務所との契約はしない方が無難です。探偵に相談をしたからといって、必ずその場で契約をしなければいけないということはないということも、頭の片隅に入れておくといいでしょう。

契約書を確認し終えて、問題がなければ判を押して契約完了です。契約書は、調査報告が終わるまで大事に持っていましょう。

探偵の調査が終わると、調査報告があり、最終的な調査料金が出てきます。この時に、その金額が契約書や見積書に書かれている金額と違わないかどうかを確認してください。

ここで多いのが、見積もりの時には安い値段が書かれていたのに、最終的な調査料金が高額になっているという事例が、時々あります。さらに、問題のある業者は、高額料金を請求する際に、この金額が払えないなら、知りえた情報を外に流すと脅してくるところもあるそうです。

探偵には守秘義務があり、依頼者側が話してもいいと言わない限り、探偵社は誰に情報を開示してほしいと言われても、言ってはいけないというのがルールです。そのため、普通ではありえない脅しなのですが、探偵にそう言った守秘義務があるということを知らない依頼者が騙されてしまうのです。また、守秘義務については、契約書にも明記されていますので、契約を結ぶ前に、ちゃんと一文が書かれているかどうかの確認もしておきましょう。

また、相談者が騙されてしまうものの一つが「着手金ゼロ円」とうたっている業者です。「着手金ゼロ円」と書かれていると、調査料金がゼロ円のように見えてしまいますが、そうではありません。調査前にかかるお金がないと言っているだけです。ただこれも、契約書や見積書を作ってもらえば、この手の文言に騙されることはありません。着手金ゼロ円であっても、見積書では調査費用の項目があり、そこにゼロ円とは書けないはずだからです。

ただ、これらのことは、正常な精神状態であれば、騙されることがなくても、やはり追い詰められている状態であれば、正常な判断ができずに騙されてしまうこともあります。そう言った時は、どの段階でもいいので、気づいた時点で東京都調査業協会のように、探偵にまつわるトラブルの苦情相談窓口があるところに相談をしてみましょう。一人で抱えるよりも、相談をした方がいい解決策が出てくるかもしれませんよ。

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