第120回:《相談》開放的な夏の到来でも今年は少し様子が違う
毎年、梅雨が明け夏がやってくると、ひと夏の過ちのような不倫が多く発生していました。その多くは会社の暑気払いやビアガーデンなどの飲み会です。
会社での飲み会に顔を出すので帰りが遅くなると言われて、行くなという妻はほぼいません。それが付き合いであることを知っていますし、飲むぐらいいいだろうと思っているからです。
けれど、会社の飲み会がきっかけで不倫に発展することは多いものです。会社の大きな規模での飲み会であれば、普段話をしない人とお酒の席で出会って意気投合することもありますし、酔っぱらった時にたまたま近くにいた男女が、そのままホテルへなんてこともあります。
お互いに知らないけれど知っているという微妙な距離感なので、一度きりに過ちを起こしやすいのかもしれません。
また逆に会社の部署内やチーム内での小さな規模での飲み会も危険があります。いつも一緒に働いている人でも、小さな規模の飲み会で相手のプライベートを知って急に距離が近くなることもあるからです。中には既婚男性に魅力を感じている未婚女性もいて、こういった時に思い切った行動に出て流されてしまう男性も少なくありません。
飲み会シーズンから不倫が始まり、1回きりで終わればまだ火遊び程度で済むのですが、同じ会社にいるため、あの夜のことを思い出してしまい、つい誘ってしまったという人もいます。2度目があれば、3度目があり、二人の関係は定期的に会うように進展していきます。
出会い系サイトとは違い、相手の素性を知っているので、女性側も気を許しやすいというのがあるのかもしれません。男性も出会い系サイトで、いわゆる業者のような人に会わずに済みますし、自分の事情を分かってくれている女性と関係を持てるので楽だというのもあります。
また社内不倫で一番燃え上がりやすいのが、職場内で二人だけの秘密を持てるということ。女性は特に二人だけの秘密というのに弱いところもあります。
というのが、これまでの夏に起こりやすい不倫の流れでした。実際探偵事務所にも、社内不倫を疑うような相談が多くあり、会社から出てくる二人を尾行するということも良くしていたものです。
ただし社内不倫の場合、周りの目を気にしている人たちは、一緒には会社を出ずに、会社から離れた場所で待ち合わせをしていることもありましたが。
浮気をしている夫の妻も、こういった流れで不倫に陥る人がいるということは、週刊誌や情報番組、噂話などで聞いているので、夫の様子が飲み会からおかしいと気づける人もいました。
ですが、こういった夏の行事が今年はできない状態にあります。
各企業はリモートでの仕事を社員にするように伝えたり、出社日数を減らしてリモートと半々にしてみたり、様々な工夫をしています。また、ウィズコロナ時代ですので、会社側が大々的な飲み会を開こうとは積極的には行わないでしょう。むしろ、飲み会の多かった企業でも、社員たちに普段の生活から気を付けるようにと伝え、大人数での飲み会は控えるように伝えています。
だったら新しい不倫カップルも生まれないのかと言われれば、そんなことはありません。ウィズコロナの時代だからこそ生まれる不倫カップルもあります。
さらに働き方も変化してきているため、仕事をしている夫や妻が不倫に走っているのか見極めるのが難しくなってきている状態です。
例えば職場では、人数制限を設けて出社する人としない人を分けているところがあります。普段であれば多くの人が日中職場にいるのですが、これからの時代は2、3人しか出社しない部があったり、閑散としたワンフロアの中で数名だけが出社しているということもありえます。
これまでであれば、大勢人がいたので気にも留めていなかった人に目が行くことになるということです。
コロナ前の職場内では、上司がいて部下がいて、他の人の目が常にある状態でした。ですが大企業であっても、少し離れたところに人が何人かいるだけの状態。となれば、勤務時間中だからといって常に仕事をしていなければいけないと言うわけではなくなります。
人によっては、他部署で出社している人に声をかけてみて、何となくランチを一緒に行くようになり、そのまま不倫の関係へと発展することもありますし、すでに不倫相手がいる場合は仕事中に堂々と相手とスマホでやり取りをしたりもするでしょう。
職場内で新たに不倫カップルになった場合は、関係が深まってくると人の少ない部屋に移動して、そこで行為に及ぶこともありますし、リモートと出勤の両方あるパターンでの仕事の仕方をしている企業に勤めているのであれば、リモートの日に出勤日だといって愛人の家に行っている可能性もあります。
家族としては、不倫をしている夫や妻が本当のことを言っているのかどうなのかということが、新しい働き方になったせいで見極められなくなっているのです。
ただそれでも、普通に仕事に行っているはずなのに何かおかしいと感づけるのが女性というもの。
4月下旬から5月にかけては、探偵事務所でも相談の数が全体的に少し減ってきていましたが、今はまた同じぐらいに戻ってきています。それは、不倫を怪しむ人の数も増えてきているからでしょう。
今はこれからの生活をどうすればいいのかと躍起になっている女性が多い中で、開放的な夏の到来とコロナストレスによる欲求不満が溜まっている男性も増えており、不倫に走ってしまう人も増えています。もちろん時代など関係なく、常に一定数の不倫をする人はいる者ですが、これまで不倫をしたことがない人もしている傾向がみられています。
初犯であれば、不倫の仕方にも慣れていないので、しっぽを掴みやすいというのも特徴です。
これまで誠実だったからといって、これからも誠実であるとは限りません。配偶者の動きが変だなと思ったら、すぐに探偵に相談をしてください。不倫は関係を持ったのが最近であれば、夫婦の中も復活させることができます。ですが放っておくと、配偶者の気持ちが愛人に傾いてしまうこともあるので要注意です。
夫婦仲をこれからも続けていきたいのであれば、早めに不倫を暴く必要があります。怪しい行動を見かけたら、すぐに探偵に相談をしてくださいね。
← <探偵コラム目次へ戻る>
東京都調査業協会 苦情相談窓口
〒101-0032 東京都千代田区
岩本町2-6-12 曙ビル402号
TEL:03-3861-2301(代)