東京都調査業協会

探偵コラム

第115回:《相談》探偵に相談することが怖いと思っている人へ

最近……に特化するわけではないですが、探偵が依頼人の話を書いているような記事をよく見かけるようになりました。
探偵がどんな職業なのかを知らない人からすれば、こういった記事があると読み物としてはとても面白いと感じるものです。

探偵はこんな風に対象者を調べるのかとか、相談者とはこんな風に話を進めるのかとか、調査の結果こういったとんでもないことがわかった、裏の世界って面白いなど。

探偵事務所に持ち掛けられる相談の数は、おそらく一般の人が想像しているよりは多いものです。時期によってばらつきはありますが、一つの地域に数十店舗の探偵事務所があっても、生業として続いているのであれば、それだけの数の依頼をこなしているということだからです。

そのため、探偵たちは世の中の人たちよりも、小説で読むよりもあり得ないような珍事に遭うこともあります。だからこそ、それを世間に公表すると食いつく人が多いというのも納得できます。

中には探偵に依頼をしたら、面白い結果が出てくるのが当たり前だと思っている人もいるかもしれませんね。

自分の家族の調査をお願いして、普通の結果しか出てこなかった場合、例えば夫の浮気調査をお願いして、会社の部下との不倫が発覚というだけでは納得しないということも。そこにはドラマがあって、面白い結果が出ないのはおかしいと……と、いうふうな考えを持つ相談者は、ごく一部でしょう。

多くの相談者が、探偵のある意味暴露本のようなものを見て感じることは何でしょうか?

おそらく、もし自分が相談をした場合、自分の事もこうやって世間に公表されてしまうのではないか、という恐怖ではないでしょうか。

探偵に相談をしに来るほとんどの人は、不安があって、一人ではもう抱え込めないと思うような気持を持っています。悩みに悩んで、これはもう探偵に頼むしかないと追い込まれている人がほとんどです。藁にも縋る思いで探偵事務所のドアを叩くのです。

ですが、ドアを叩く寸前に、探偵が公表していた実例のようなものを思い出したとしたらどうでしょうか?

ドアを叩く手を止めてしまいませんか?

探偵が実例として出す、過去の調査結果は、読み手が面白いと思うような珍事です。つまりとても特徴のある内容。

相談者たちと全く関係のない人たちが呼んだのであれば、「こんなのあり得ない」とか「現実でもこんなことが起こるんだ」とか他人目線で読めますが、相談者本人やその近くにいた人たちであればどうでしょうか?

「え、これ自分のことじゃ……」とか「これ〇〇さんのことじゃない?」という風になることはないでしょうか?

SNSのように限定公開設定ができればいいのですが、HPに載せていたり、YouTubeにアップロードされたりしたものは、誰の目にもさらすことになります。また、過去の調査結果を公表するのは、多くの人に見てもらいたいと探偵側が思っているため、SNSであっても限定公開をすることはないでしょう。

となると、何も知らない相談者は、過去の調査方法を見て、どんなに追い詰められた状態になっても探偵には相談することができない……という考えに陥ってしまう人もいるといえます。

探偵側としては、自分たちの仕事を知ってもらって、相談者がもっと気軽に相談をしてくれたらと言う気持ちが強く、暴露してやろうという気持ちは、普通の探偵であればあり得ません。

ですが、相談者からすると、探偵のことを何も知らないからこそ、不安になるということもあるのです。

でも安心してください。

探偵がHPなどに掲載している相談者の実例や調査結果というのは、それを載せる際にはちゃんと相談者に許可を取っています。無断で載せることはありません。

他の業種でも、お客様の声や写真付きでの体験談などは、本人もしくはお店の人が本人に確認した後で載せているものです。中にはお店の人が勝手に自作自演で作っているものもありますが、実在するお客様のことを無断で発表するということはしません。

探偵も同じです。

探偵という職業がどういったものなのかが知られていないために、そういったこともしてしまうのではないかとか、人に知られたくないことを相談しているだけに、発表されたらどうしようという脅迫概念から、物事を悪い方向へと考えてしまっているだけです。

さらに探偵には、「守秘義務」というものがあります。
お客様のことで知りえた情報を、他の人には決して話したりはしません。

相談者が使っている探偵のことを、相談者の近しい人が知ったとして、その人が探偵に相談者にどんな相談をされたんだと聞かれても、それについて答えることはないと断言できます。

探偵は相談者に何を相談されたかを答えないだけではなく、相談者に依頼をされたということも、その人に伝えることはないでしょう。

探偵はこういった時の対処方法をよく理解しているので、明らかに嘘をついているというような表情もしませんし、堂々と「なんのことですか?」と言ってのけますので、安心していただければと思います。

その後で、探偵は相談者に連絡をして、こういった人からこういうことを言われましたという話を、相談者には伝えます。

相談者の周りの人に対しての守秘義務はありません。探偵はいつも、相談者が不利益になるようなことはしない、というのが大前提にあるためです。

周りの人、誰が相談者の行動を怪しんでいるということを探偵が伝えることで、相談者もその人に対して細心の注意を払うようになり、相談者が探偵に依頼をしたことがバレないようにします。

探偵にとって、一番大事にしているのが相談者です。相談者の不利益になるようなことは、どんなことがあってもしませんのでご安心ください。

探偵たちによる過去の調査の話が出回っていても、相談者の近しい人であってもバレるようなことはしていませんし、相談者にも許可を取っているため、無断で掲載なんてこともありません。

ただ依頼内容、そして調査結果としてよくあるパターンというのがあります。それについては、特に相談者に許可を取ることもないかもしれませんが、それで相談者が特定されるということもないので安心してください。

探偵は相談者の一番の理解者であり、協力者ですので、悩みごとが出てきたらお気軽に相談してくださいね。

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