第95回:《探偵》許せない不倫もダブル不倫の場合は丁重に行うべき
個人からの依頼を受けている探偵事務所にとって、浮気調査の依頼はダントツで多いと言ってもいいでしょう。自分の配偶者が浮気をしていた場合、証拠を突き付けて離婚をし、慰謝料を請求する。そして、自分は慰謝料をもとに、新たな人生を仕切り直すと思っている方も多いかもしれません。
ですがそれは、自分の配偶者が独身の人と不倫をしている場合に限ります。浮気相手が独身者であれば、配偶者と浮気相手の二人に慰謝料を支払うように言うこともできますし、配偶者とは離婚をしないので、浮気相手にだけ慰謝料を支払うように要求することも可能です。
浮気をするような配偶者のことを許せないと思う人も多いのですが、離婚をしてしまうと、配偶者が浮気相手とさらに親密な関係になり、結婚をしてしまうという可能性もあるため、そっちの方が許せないと考え、夫婦関係は冷めていても離婚をする気はないと伝える人もいます。これは、夫が浮気をした場合の方が可能性としては高いかもしれませんね。
もちろん、浮気をするような夫を許せないので、すっぱりと離婚をするという方もいらっしゃいます。
ただ気を付けてほしいのが、ダブル不倫の場合です。
ダブル不倫というのは、依頼人も配偶者も不倫をしている状態のことを言うのではなく、配偶者の浮気相手が結婚をしている人という意味です。
依頼人が女性で、ダブル不倫をしていたのが男性という場合で説明します。
ダブル不倫で何が問題なのかというと、浮気をしていた夫と別れない場合に特に問題が起こりやすいと言えます。
通常、浮気をしていた場合、依頼人は配偶者とその浮気相手に慰謝料を請求することができます。つまり、夫が他の女性と不倫関係にあったということですね。依頼人が浮気をする夫と離婚するのであれば、相手がダブル不倫であっても関係なく夫と浮気相手の女性に慰謝料を請求することができるでしょう。
ですが、夫が浮気をしたとしても離婚をする意思はないと言った場合、一緒に暮らしていく相手に慰謝料を請求することはないですよね?ですが、夫の浮気相手の女性には慰謝料を請求しようと思うでしょう。
ただ、この浮気相手の女性にも、正式に結婚をしている夫がいます。そして浮気相手の女性の夫も妻が浮気をしていることを知っていた場合、浮気相手の妻は夫に相談をするはずです。浮気相手の女性の夫が妻の不倫を許している場合、妻の不利益をなんとしてでもないものにしたいと思うでしょう。
そう思った時、この浮気相手の女性の夫はどういう手を使ってくると思いますか?
自分の妻にかかる負担を減らすために、依頼人の夫に対して同じ金額の慰謝料を請求するという手を使ってきます。相手側に弁護士がいれば、十中八九そういった手法を使うようにアドバイスするでしょう。
自分の妻にかかる負担を減らすために、依頼人の夫に対して同じ金額の慰謝料を請求するという手を使ってきます。相手側に弁護士がいれば、十中八九そういった手法を使うようにアドバイスするでしょう。
浮気相手の妻の夫からすると、自分の妻と浮気をしたのは依頼人の夫ということになるため、浮気相手の妻の夫であれば慰謝料の請求が可能だからです。
もし相手からも慰謝料の請求を出されてしまえば、依頼人は浮気をした夫と離婚をしないため、自分が請求した額と同じだけの額を相手の夫婦から慰謝料として請求されてしまい、「慰謝料」というものは曖昧になり、浮気相手の女性に慰謝料を請求できなかったということと同じことが起こってしまうのです。
浮気をしたのに何もお咎めがないという状態は、浮気をされた側としては許せないものでしょう。ですが、これはどうすることもできません。浮気相手の女性の夫にも、依頼人と同じ慰謝料の請求権があるのですから。
ただ、少し前にも書きましたが、依頼人が浮気をした夫と離婚をするのであれば、夫の浮気相手の女性に夫がいても関係ありません。
依頼人は、浮気をした夫と浮気相手の女性に慰謝料を請求し、それを止めようとして浮気相手の女性の夫が、依頼人の夫に慰謝料を請求したとしても、離婚する相手のことなんて関係ないと言い切り、お金を請求することができるというわけです。
もちろん、浮気をした夫は依頼人からも、浮気相手の夫からも慰謝料を請求されてしまいますが、それが浮気の代償と言えば代償といえるでしょう。そして、浮気相手の女性とその夫が別れないのであれば、浮気相手の女性はお金を請求されても、夫が依頼人の夫から同額の慰謝料を請求するため懐に傷はつかないという状況にはなってしまいますが、それはまた別の話です。
ただダブル不倫の時に、しっかりと浮気相手の女性にも金銭的な苦労を強いる方法はあります。それは、浮気相手の女性の夫が、彼女の浮気を知らない場合です。
慰謝料の請求は必ずしも公にして請求しなくてもかまいません。通知書を相手の家に届けることにはなりますが、それを他の家族に見られなければバレることはないでしょう。
そのため、探偵に夫の浮気調査を依頼したときには、夫の浮気相手の状態までも調べてもらうことをお勧めします。中には、浮気の証拠さえあれば、夫との離婚の材料にできるから十分という方もいらっしゃいますが、浮気相手が独身か既婚かで相手に慰謝料を請求するときの注意の仕方が変わってきます。
夫の浮気相手が既婚者で、その夫が妻の浮気に気づいていないのであれば、夫に知られたくないからという理由で素直に慰謝料を支払う女性も多くいます。
昔から男の浮気よりも女の浮気の方がバレにくいということがありますので、自分の夫の浮気を突き止めても相手の家庭ではバレていないことも往々にあるということを覚えておきましょう。
そうすれば、浮気をした人にしっかりと浮気をした代償を払ってもらうことになります。
浮気をする人は一定層いるのですが、それと同じくらい浮気に対して許せないと思っている方がいらっしゃいます。探偵はつらい思いをしている人の味方ですので、自分の夫の様子がおかしい、自分の妻の様子がおかしいと思った場合は、お気軽にご相談ください。
ただし、婚姻関係はなく、付き合っているだけの恋人関係だけであれば、相手の浮気を突き止めたとしても、何もすることができません。婚姻しているかしていないかが重要だということを頭の片隅にでも置いておいてくださいね。
依頼人のために、最善のことを尽くさせていただきます。
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