2018-05-25
第39回:《探偵/東京》東京都調査業協会について
1.はじめに
東京都に事務所を構える探偵業者が加盟している一般社団法人東京都調査業協会(以降「都調協」と称します)について概略を説明します。
都調協は、30数年前に探偵業を営む業者が業界の発展と社会の信用度を高めるために結成された任意団体で、国内では業界最古の組織として現在でも探偵業界の見本的存在で活動しております。
都調協は、理事10名・監事2名を置き、毎月第二水曜日を基本に理事会を開催して協会運営や業界の健全性を高める議論を実施しており、消費者から信頼される業界を目指しております。
都調協は、東京都内の地域を区分して旧江戸城を中心とした城東支部・城南支部・城西支部・城北支部の4支部で構成し、7委員会を設けて協会の発展・消費者保護を目的とした探偵業界に対する苦情の処理・調査員の質的向上に向けた各種教育等を率先して実施しております。
特に都調協として力を注いでいる消費者保護関係及び教育関係について説明致します。
2.消費者保護関係
都調協では、消費者保護を目的として「業務適正化委員会」を設けて活動しております。業務適正化委員会では、消費者が関わった探偵業者に対する苦情の受付を主たる任務とし、都調協加盟業者・非加盟業者を区別することなく消費者からの意見を承っており、問い合わせを受けた案件は全て解決しているのが現状で、多くの消費者から感謝の言葉も寄せられております。
消費者から寄せられた意見に対し、悪質かつ違法性の高い案件の場合は、担当弁護士に相談する他、警視庁の担当官に通報する場合もありましたが、幸いにも協会員の中にはおりません。協会員の場合、「倫理委員会」を開催して強制退会のシステムを設けているため、悪質かつ違法性の高い苦情は無く、悪質かつ違法性の高い苦情は非加盟業者に限られておりました。
3.教育研修関係
都調協では、業者及び調査員に対する質の向上を目的として「教育研修委員会」を設けて都調協加盟業者・非加盟業者を区別することなく年に1~2回の教育研修会を開催している他、加盟業者に対するミニ研修会も開催しております。
教育研修会では、警視庁担当官をはじめ都庁の差別問題担当部署の担当者を講師に招いて講義を実施している他、弁護士や関係部門のエキスパートを講師に招いて講義を実施しているため、関係法令は無論のこと調査技術の向上に努めております。
探偵業界は、規制された各種法令の中で、適正な手段・方法で消費者からの依頼に応えなければいけません。厳しい立場であるからこそ関係法令の理解と調査技術の向上が最も重要な要素だと思えます。
消費者の期待に応えるためにも日々、研修を積み上げることが重要な要素と信じております。
4.おわりに
数年前まで続いた無差別な方宛の携帯電話(スマートフォン)に、東京都調査業協会加盟○○○業者名で架空請求の迷惑メールが送信され、架空請求の迷惑メールを受信した方々から都調協に問い合わせが殺到した時期が数年間続きました。
都調協に対する悪質な妨害行為で有ると共にメールを受信した無関係の方々に対する多大な迷惑行為です。
中には、このメールを信じて送金した方も居る旨も聞いております。都調協は、この様な悪質行為は絶対に致しませんし、会員にもおりません。
都調協は、消費者保護を目的として、健全な業界を維持することに力を注いでおり、今後もこの方針は継続して行きますので、皆様のご理解を宜しくお願い致します。
執筆者:京葉総合リサーチ 森宗 悟