2025-03-05
第298回:《探偵》探偵事務所に相談をするのが怖いと感じるなら
探偵の業界は、令和の時代になってもまだ、ちゃんとした認識を持っている人が少ない謎に包まれている業界でもあります。ですがそれには理由があります。全てを公開してしまうと、調査がしづらくなるというのと、依頼人の話した内容は一切外には公表できない守秘義務があるからです。
前者の調査がしづらくなるというのは分かりやすくいうと、例えばマジシャンに対してすべての種を明かせと言っているのと同じです。探偵が調査をする方法というのは、もちろん依頼人には概要を伝えています。ですがそれでも、細かい部分は明かしていません。マジシャンでいうところの、演目を伝えているだけです。
それでも、最終的には調査報告書を依頼人には渡しているので、それを見て、もしかしたらこういう調査をしていたのかもしれないと勘繰ることは出来ます。マジシャンのマジックを見た後で、このマジックの種はこうだったんじゃないかと勘繰るというのと同じですね。
そして探偵に課せられている守秘義務。これは依頼人と契約を結ぶときに、契約書にも書かれています。ですので、探偵は依頼人から聞いた話を、例え話として誰かに詳しい話をすることはありません。
人物が特定できないような、おおざっぱな話であればすることはありますが、それぐらいです。
そういった背景もあり、探偵事務所に依頼をする人が、どういう話をしているのか、どこまでの話をしているのかも、外からはわかりませんし、探偵が実際にどういう調査をして、どういう調査報告書を依頼人に渡しているのかも見えないというわけです。
また調査料金についても、実際に依頼をするといくらなのか、というのも不透明なことがほとんどです。数年前からパック料金を作っている探偵事務所も存在はしていますが、実際にパック料金にした場合に、本当にそれ以上のお金がかからないのかということは不透明ですし、パック料金を取り入れていない探偵事務所の場合は、いくらなのかも見えていないのではないでしょうか。
調査料金に関しては、秘密にしているわけではなく、本当に依頼人によって料金にばらつきがあるからです。そのため、一律にして書くことができないという問題があります。調査の回数が増えれば増えるほど、調査料金は高くなるからです。ただ、依頼人に対しては、もう一回調査を行うと料金が増加するということは伝えてますので、依頼人が知らない間に探偵側が勝手に調査回数を増やす、というようなことはありません。もし、そういった探偵事務所があれば、探偵協会にご報告ください。
以上の3点が、探偵事務所がどういう相談を受け、どういう調査をし、どれだけの金額を請求しているのかがわからない、と言われる所以です。探偵事務所側が、故意に隠しているというわけでもなく、業務上仕方のないことといえます。
とはいえ、そういう不明点が多い探偵事務所に、一人で相談をしに行くのは怖いと感じてしまう人がいるのも仕方のないことです。探偵業界としては、怖いというようなイメージを払拭しようとはしていますが、はっきりと言えないことが多いため、誤解を解くことができずにいます。
探偵とのファーストコンタクトは、おそらく一般的にはメールです。メールの遣い方がいまいちという方であれば電話で連絡をしてくることもありますが、やはりメールの方が圧倒的に多いのが現状です。
探偵事務所にメールを送ると返信が来ますが、当然ながらメール文を読むだけでは、その探偵を信用していいのかどうかはわかりませんし、信用しろという方が難しいでしょう。それでも、次の段階に行く前には、メールでのやりとりである程度の不安は取り除いておく方が良いので、不明点はどんどん聞くようにしましょう。
メールでのやりとりでは、最終的にいつ会うのかというところまで話が進むはずです。その時に、信用できないから探偵事務所に行くのが怖いと感じる人もいるでしょう。相談内容にもよりますが、探偵事務所に行く際に、一人だけで行く必要はありません。自分が抱えている問題を明かしてもいいという信頼のおける人がいるのであれば、その人と一緒に探偵事務所に行くことも出来ます。
誰かと一緒に探偵事務所に行くというのは探偵事務所側としては問題はないのですが、やはり圧倒的に一人で来られる人が多いのも事実です。やはり誰にも相談ができないからこそ探偵を頼っているというのもあるのでしょう。
例えば不倫調査の相談の場合、一人で探偵事務所に行くのが怖いからといって子どもを連れて行くわけにはいきませんし、親友を連れて行くのも抵抗があります。子どもの場合は、すでに子どもにも不倫していることがバレているのであれば問題はないのですが、配偶者にしかバレていない場合は、あえて子どもに伝えることはないので、選択肢から外されてしまうということです。
ただ、実際に探偵事務所に行ってみると分かるのですが、探偵事務所の扉を開けるのは怖いと感じたとしても、実際に中に入ってしまうと、怖いとは感じないはずです。依頼人の話を聞く人は接客業として対応しているので、圧をかけてくることはないからです。ですので、緊張の一番のピークは探偵事務所の近くまで来てから、実際に探偵事務所の扉を開けるまでなのではないかと思います。
また、どうしても探偵事務所に直接行くのが怖くてできないという場合は、zoomなどのオンラインでの面談をして調査の契約まで進める探偵事務所も存在しているので、そういった探偵事務所を使うことも出来ます。オンライン面談は、ここ4、5年前ぐらいからで始め、最近ではオンライン面談を可としている探偵事務所も増えているので、検索をしてみると良いかもしれません。
ただ、オンライン面談だと、自宅から遠く離れたところの探偵にも相談ができるというメリットもありますが、探偵自身はオンラインで調査をするわけではないので、調査をする場所に近い探偵事務所を選んだほうが、調査費用は下がるということだけは覚えておきましょう。
また、一度目はオンライン面談をしたものの、やはり直接探偵事務所に行って話がしたいとなったら、その旨を伝えると、オンライン面談からリアル面談に切り替えることも可能になります。
探偵事務所に行くのが怖いと感じるなら、自分に合った方法で探偵と接してみるのがいいでしょう。