2025-02-21
第296回:《探偵》探偵事務所に対して苦情がある人はいるもの?
探偵に調査の依頼をしようと考えて検索をする人はいても、探偵に対する苦情を言うために検索をする人は、そういません。ですが、探偵に対して苦情がある人はゼロではありません。それはなぜでしょうか?
検索をしてみるとわかるのですが、東京都内にある探偵事務所を検索してみると、100以上の探偵事務所がヒットします。探偵が架空の存在ではなく、現実世界にあるものという認識をしている人も増えましたが、探偵事務所の数がそんなにもあるというのを知らない人はまだまだいます。
そのため、実際に探偵に依頼の相談をしてみようかなと考えて検索をした時に、探偵事務所の数の多さに驚いてしまうという人はたくさんいます。
そんな探偵事務所ですが、数が多いということは、それだけ色々な人が探偵をしているということです。探偵事務所で取り扱っている案件は、基本的には人には秘密にしておきたいようなプライベートなことがほとんどなのですが、探偵も人間なので、どうしても人同士の相性が存在します。
接客業という言葉を使うと軽く感じてしまうかもしれませんが、探偵には接客業の側面も確かに存在しています。依頼をしている方と実際に対面で話をしているので、どうしても良い悪いは存在します。ですが、探偵業界という特殊な業界では、依頼人はあまり大事にしたくない、相談内容は出来る限り多くの人に知られたくないという気持ちが働くため、探偵と話をした時に、自分と合わないと思ったり、話しが通じにくいと思ったりしても、一度話してしまったし、この人に依頼をしようと思ってしまう傾向があります。
これは弁護士に対しても同じではないでしょうか。人としてはとっつきにくく、あんまり話していたいとは思わないけれど、あまり人には知られたくない内容の話をしてしまったから、もういいか、となってしまうわけです。
ですが、そのせいでトラブルになってしまうこともあります。
プライベートなことを話したからと言って、必ずしも依頼をしなければいけないと思わないようにすることが大切です。一つの探偵事務所に行ってみて、相談をしてみたものの、何となくその探偵が信用できなかったり、探偵と意思の疎通がしづらいと感じたりしたら、別の探偵事務所を探しましょう。
先にも言った通り、探偵事務所は都内にかるく100以上ありますし、大型ターミナル駅である新宿、渋谷、池袋であれば、その駅だけでいくつもの探偵事務所が点在しています。確かにプライベートなことを知っている人が増えるのは、よしとしないかもしれませんが、違和感を覚えているのにそのまま依頼を続行してしまうと、決して安くないお金を払ってストレスをためることになってしまうというのを忘れてはいけません。
やはり納得できる探偵と巡り合うまでは、根気強く探偵事務所を周った方が、後々後悔はしないでしょう。
では、実際にどういうことで、探偵に対して苦情が出てくるのでしょうか?
接客業だと考えると、苦情が出てくるときのことを想像しやすいかもしれません。苦情になるケースで一番多いのはやはり意思の疎通ができていないということです。探偵側が言ったことを、依頼人側が理解していなかったり、依頼人側が探偵に対して間違った知識を持ったまま探偵と接していたためにすれ違いが起きたり、ということがあります。
もっと具体的に言うと、探偵に調査の依頼をする時には、契約書を交わす必要があるのですが、その契約書の内容をちゃんと理解しないままに契約をしてしまい、こんなはずじゃなかったと苦情になるケースがあります。特に多い契約のトラブルは、解約時のトラブルです。契約書には、依頼を依頼人都合で解約する場合、どれだけの違約金が必要になるのかということを書いており、探偵側からも説明をしているのですが、解約するはずがないという思い込みが働いているために、ちゃんと聞いていないケースがあります。
また他にも、実際に調査をする前に、探偵側から見積金額が提示されますが、調査を終えた後で出される請求書の金額とは違うことがほとんどです。それが違法性がある場合もありますが、ほとんどの場合は違法ではありません。なぜ見積金額と、最終的に出される請求書の金額が違うのかについては、契約時に説明をしていますし、調査費用が上がる場合は、調査をしている過程の中で都度確認をしているからです。
もし、調査費用についての説明が抜けている探偵がいたとしたら、それは探偵側の問題だといえますが、正規の探偵はどういうところで依頼人とトラブルになりやすいかを熟知しているので、説明を省いたりはしていないでしょう。
また、探偵に調査の依頼をした後は、探偵と依頼人との間で、何度もやり取りをすることになります。一度依頼をしたら、その後は結果が出るまで音信不通ということはありません。ですので、探偵との普段のやり取りに対してストレスを覚えている場合は、探偵の言葉を聞き逃したりしてしまう傾向があるので、トラブルに発展しやすく、苦情に繋がるというわけです。
探偵事務所で依頼の相談をしても、契約を結ぶまでは料金はかかりません。1、2万ですむような安い調査費用ではないので、調べてほしいことはあっても、本当にこの探偵に調査の依頼をしていいのかの吟味は大事なことです。
しっかり吟味を繰り返すことで、信頼できる探偵と巡り合うことができますし、信頼できる探偵との間であれば、苦情やトラブルということもおこさずにすみます。
あまり人には話したくないという心理的なものはあっても、その後で余計なトラブルに発展しないためには、探偵事務所選びはきちんとしておきましょう。どんな探偵事務所を選べばいいのかについては、このコラムでも何度かお伝えしていますので、ぜひそちらも参考にして、ノンストレスで探偵に調査の依頼をするようにしましょう。
また、注意をしていてもトラブルになってしまった場合は、当協会のような探偵協会が窓口になっていますので、どんなことがあったのかをご連絡いただければと思います。話を聞いた上で、公正に何が問題だったのかについてもお伝えさせていただきます。