2022-11-05

    探偵に依頼をしているほとんどの人は、事前に探偵にいつか依頼をすることがあるかもしれない、とは思っていない人たちです。

     

    どちらかと言うと、どうしようもない状態に追い込まれ、どうしたらいいのかを考えているうちに「探偵」という言葉が目に入るようになるといったことがほとんどでしょう。探偵という言葉が目に入るようになっても、すぐに「探偵に依頼をしよう」とは中々なりません。

     

    探偵という存在が未知の存在で、イメージとして高額だということしか知らないからです。確かに、情報を開示できる内容が少ない職業です。どんな依頼があって、依頼人はどういう人だったのかということは、外に漏らすことはできません。また探偵は職人と同じため、どうやって調査をしているのかということも企業秘密にしています。

     

    調査をしている人にどんな人がいるのかということも、伝えることができません。調査員で顔をばらしてしまうということは、調査がしづらくなってしまうからです。さらに調査をする内容は、人によって実は千差万別。細かいことを言っても仕方がないですし、細かく言うと依頼人の情報を伝えることにもつながってしまうため、やはり言うことができません。

     

    こういった経緯があるため、探偵の実態がよくわからないものとなっている部分があります。

     

    調査金額に関しては、確かに千円や二千円で済むようなものではありません。ですがかといって、100万、1000万といった高額でもありません。もちろん、調査期間が長くなれば100万円を超えることもあるかもしれませんが、一般的な調査ではその金額にはならないことが多いものです。

     

    では一体どれくらいの金額で調査をしてくれるのかというと、依頼人が先に持っている情報量がどれぐらいで、何をどこまで調べるのかによって金額が変わってくるため、事前の金額を伝えることができないというところも、初めて探偵を使う人に不安を与えているところでしょう。

     

    ただ見積もりを先にしてもらってから、その金額なら払える払えないを判断してからの契約になるため、探偵に相談を1回でもしたらお金を取られるということはありません。自分の場合だと、いくらになるんだろうぐらいの軽い気持ちで、見積もりをしてもらえるということは覚えておいてもいいかもしれません。

     

    また、調査をすすめていく上で、当初の調査内容と変わってきたという場合には、調査金額が上がることもありますが、探偵側から、この調査を増やすとこれぐらいの金額が上乗せされますがどうしますか、といった打診があるので、自分の財布と相談をしながら調査をしてもらうことができます。

     

    気が付いたら、勝手に高額請求をされていた、ということをするのは、基本的には詐欺まがいのことをしている事務所だけですので安心して下さい。また詐欺に遭った場合も、探偵に相談をすることもできますし、探偵協会に相談をすることもできますし、消費者センターに相談をすることもできます。味方はたくさんいるということです。

     

    ただ、よくわかっていない探偵に相談をしなければいけない状況に追い込まれている人、というのは基本的に冷静な判断ができなくなっている可能性があります。探偵に依頼をするときには、多少の勢いも必要ですが、やはり冷静な部分も必要です。

     

    一般的な探偵は、相談者が来た時には、丁寧なシステムの説明をします。契約書についても、こういう場合には、こうなるということも説明してくれます。ですが、冷静な判断ができなくなっている状態だと、説明をされていても聞いていなかったり、自分には関係のないことだと思ってしまったりすることで、後々それがトラブルのもとになる可能性もあります。

     

    探偵事務所とのトラブルで起きやすいのが、解約トラブルです。

     

    探偵事務所では、調査を行う前には必ず相談者と契約書を交わします。そこには解約についての説明も書いていますし、解約をするとどうなるのかということも、口頭で改めて説明をしています。ですが、切羽詰まった状態で相談に来ている方は、もうここしかないと思ってきているため、自分が「解約をする」かもしれない可能性については全く考えていません。そのため、解約をするとどうなるのかということを理解しないまま、契約書に判を押してしまうのです。

     

    その後、本当に解約をすることなく、最後まで調査をお願いしたのであれば問題はありません。ですが、探偵に相談をしてみたものの、家に帰ってから不安になったり、やっぱり探偵に依頼をするのはやめようかなと思ったりした場合に問題が発生することがあります。それは解約金です。

     

    契約書に判を押した時点から、探偵は調査のための準備を始めます。そのため、契約書に判を押して1時間しか経っていなかったとしても、料金が発生する場合があります。そのことについては、契約書にも書いていますし、探偵が口頭でも伝えているはずですので、見逃さない、聞き逃さないようにしましょう。

     

    また、探偵への調査を途中でやめる可能性があるものとしてもう一つあるのが、例えば浮気調査で相手に探偵を雇っていることがバレてしまった場合です。一緒に住んでいる人の調査の依頼をしているわけですが、探偵事務所と関りのあるものを、家の中のわかりやすいところに置いていれば、気づかれてしまいます。気づかれてしまったので解約をしますという場合も一定数ありますので、ご注意ください。

     

    まとめとして、突然、探偵に相談をしなければいけなくなったら、どうすればいいのかというと、とにかく冷静さを取り戻すことです。探偵に相談をして、心の安定を図るのもいいのですが、探偵はカウンセラーではありません。調査を生業としている職業です。もちろん、カウンセラーのように何でも話を聞いてくれますが、それはメインではないということを覚えておきましょう。

     

    冷静にならないと見えないこともあります。かといって、気持ちを簡単には切り替えられないものです。それならせめて、探偵に相談をする前に、深呼吸を何度か行いましょう。それだけでも、探偵を冷静な目で見ることができますし、冷静な耳で聞くことができます。探偵事務所は依存する場所ではなく、調査を依頼する場所だと認識し直すと、意外と冷静に調査の依頼ができるかもしれません。

     

    東京都調査業協会

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