2022-10-12

    探偵に依頼をするのはどういう時なのか、と、考えたことはありますか?

     

    探偵事務所の存在は知っていても、現実と物語の差がわかっていても、じゃあ結局いつ誰がどんなタイミングで探偵事務所に連絡をして相談をしているんだろう。そんな風に思っている人もいるかもしれません。

     

    探偵がどんな方法で、どんな調査をするのかを理解していなかったとしても、どんな相談に乗ってくれるのか、お客さんはどういう人なのかについては興味を持っている人もいるのではないでしょうか。

     

    現実世界において、日常の中に探偵がいるということは、ほとんどないでしょう。

     

    「知り合いに探偵がいる」

     

    そんなことを言う知り合いも、ほとんどいません。たとえ、知り合いに探偵がいたとしても、それを他の人に言うタイミングもないでしょうし、知り合いになったきっかけを知られたくない場合も言わないでしょう。

     

    ですが、困っている人が目の前にいたら、知り合いに探偵がいる人はカミングアウトするかもしれません。

    つまり、普通の状態では、誰も近くに探偵がいることは言わないということです。おそらく、弁護士や警察といった職業の知り合いがいる場合も同じではないでしょうか。その職業の人がそばにいることを自慢したい人は別ですが、通常は近くにいても、「いるよ」とは言わないはずです。

     

    自分の知り合いを紹介する時も、特に必要とされていると思わなければ言いません。なので、自分がちょっとでも困った状況に追い込まれない限り、知り合いに探偵がいることも知らないままですし、探偵を探そうとも思わないということです。

     

    ただ、探偵を探そうと思う人は、知り合いに探偵がいる人が紹介するよりも割合的には少ない気がします。

     

    ここのコラムでも何度も書いていますが、人は日常的に探偵と自分との間に境界線を引いてしまっているためだからです。探偵の中には、他の職業の人と同列に考えてほしくないと思っている人もいるにはいますが、ほとんどの探偵はもっと気軽に相談をしてほしいと思っています。

     

    探偵という職業が特別視されているのは、物語の影響と、仕事柄すべてをオープンに出来ないということが原因になっているのでしょう。他の職業は、実際にはどういうことをしているのか、1日のスケジュールはどうなっていて、どう動いているのかが見えなくても、結果としてどういうことができるのか、ということはわかっています。先ほど挙げた、弁護士や警察もそうですよね。おそらく、詳しい内容はわかっていなくても、どういう時に相談をすればいいのかは知っているはずです。

     

    ですが、探偵はというと、その辺りも不明になっているところがあるので、相談者がまず選択肢に入れていないのだと思います。

     

    話を少しだけ戻しましょう。

    知り合いに探偵がいる人がいた場合です。その知り合いの方が、探偵とどういう付き合い方をしているのかにもよりますが、もし近くにそういう人がいた場合は、適切なアドバイスをしてくれる可能性があります。

     

    これは私個人の話ですが、友だちがふと悩みを打ち明けてくれたことがありました。最近、付きまといを受けていて、怖いという話です。

    その人は、同性で友だちに対して逆恨みをしている人です。友だちのグループの一人で、私の友だちが彼女の悪口を言ったと思い込み、そこからその人が私の友だちの悪口を周りに言うようになったそうです。

     

    始めは悪口や変な噂を流しているだけでしたが、徐々に私の友だちのSNSをチェックして、そこに変な書き込みをするようになったり、SNSをチェックして友だちが行く場所に行って、友だちが映す写真の中に写り込むようになったりしはじめ、私の友だちは出かける度に周りを確認するようになったということ。

     

    陰湿なストーカーです。

    ただ友だちとしては、友だちグループの一人ということもあるので、そのグループ内での揉め事は起こしたくないという気持ちがあって、どうすることもできないでいるようでした。

    私が「それはストーカー行為だよ」と伝えると、ストーカーは異性を追いかけることだと思っていたらしく、ビックリした表情をしていたのを覚えています。ですが、ストーカー行為は軽犯罪であっても、警察がなかなか動いてはくれない犯罪です。つきまといは罪なのですが、実際それだけで捕まるストーカーの割合はごくわずか。つきまといをした上で、ストーカーが被害者に暴力をふるった場合のみ捕まえることができるということがほとんどだからです。

     

    そして、ストーカー行為は、ただつきまとっているだけということもあって、それを立証するのが難しいというのも問題の一つです。

     

    「つきまとっているだろう」

    と言ったところで、直接的な暴力行為をしていない限り認めません。

     

    「たまたま行き先が同じだけです」

    「偶然ですよ」

    「前を歩いていたなんて知りませんでした」

    というようなことを言われてしまえば、それ以上のことはできないからというのもあります。

     

    だからこそ、こういう時には実は探偵の出番だったりします。

     

    ストーカーが「偶然だ」という主張ができないような証拠を探してきてくれるからです。探偵に証拠として使えるものを持って来てもらえば、それを警察に渡すことで実刑に持っていくこともできますし、ストーカー本人に証拠を見せてストーカー行為をやめさせることもできます。

     

    こういった探偵の使い方ができると、友だちに伝えたところ、さらに驚いていました。探偵って、そういうことも調査してくれるんだ!と。

     

    ただ、それでも、人間関係を壊すことになりそうだから、本当にもう駄目だと思った時に相談すると言われました。

     

    ですが、昔からの友だちで、付き合いも長いのに、その時にふと零した言葉は、すでに精神的にギリギリの状態だったように思います。

     

    彼女の中で探偵に依頼をする事への抵抗があったのでしょう。

     

    ただもう一つ覚えていてほしいのは、探偵に調査を依頼をして証拠が出てきたとしても、実際にそれを使って行動を起こすかどうかは本人次第ということです。必ず行動しなければいけない、というわけではありません。

     

    ですので、調査をして証拠を握った状態で、行動を起こすのはまた少し先、ということもできるということです。

    日常生活の中でイレギュラーなことが起きた時、その時はもっと気軽に探偵に相談をしてみてほしいと思います。

     

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