2022-04-23

    世の中にはたくさんの職業で溢れています。

    ですが、一般的なものと一般的ではないものに分けるとしたら、探偵は明らかに一般的ではない方に分類されるでしょう。

     

    それはどうしてなのでしょうか。

     

    例えば一般的な物としてあげるとしたら、「会社員」かもしれません。ですが、この言い方だと、探偵も含まれます。探偵も組織で行っているところもあるので、会社員として探偵を雇っている探偵会社もあるからです。なので、サラリーマン、OLなんかもそうですね。丸の内にある探偵事務所が社員として人を雇っていれば、その人も丸の内OL(女性なら)に含まれます。そう思うと、会社員という言葉はとても便利な言葉なのかもしれません。

     

    話がそれたので、元に戻します。

     

    一般的な仕事の業種でいうと、例えば食品業界、物流業界、製薬業界、金融業界、建築業界というのは一般的ですね。これでいうなら、探偵は調査業界に含まれます。調査業界と言われるとどうでしょう? これもまだ、一般的な方に分類されるのではないでしょうか?

     

    先に出していた業界に比べると数は少ないと思いますが、ないことはありませんし、そこまで特殊感もありません。

     

    では、個別の言い方に変えてみましょう。

     

    学校の先生、スポーツ選手、芸能人、歌手、保険屋、電車やバスの運転手、美容師、訪問販売、宿屋の女将、警察官。これらは誰もが知っている一般的な職業で、目指そうと思えば目指せます。もちろん、目指しても、それで食べていけるかは別の話です。

     

    ですが、ここに探偵が入るとどうでしょうか?

     

    探偵も認知度が高い職業です。ですがやはり、一般的な職業とは言えません。

    その理由を考えると、探偵は一般的な職業という意識があっても、それはリアルの世界ではなく、想像の世界での一般的な職業だからです。

    物語の中では、探偵は一般的な職業と言えます。ですが、現実となると一般的な職業ではなくなってしまうのです。

     

    世の中には、探偵事務所も探偵学校も存在しています。

    けれど、リアルな探偵に本当に興味のある人以外は、それらは現実世界にはないだろうと思っている人が、まだまだ多いのです。

    探偵事務所が、普通の街の目立つところにあったり、看板を出していたり、広告を出していたりしていないからじゃないか、と思う人もいるかもしれません。

     

    ですが実際には、街の目立つところに探偵事務所をかまえていた李、看板を出していたり、広告を出していたりしています。それなのに、気づいていない人が多いのです。

     

    街の中にあっても、目に止まらないということは、それだけ人が「探偵」に無関心だからと言えるでしょう。

    探偵小説が好きな人が本屋に行くと、探偵と書かれたタイトルの本が目につきやすくなりますし、時代小説が好きな人が本屋に行くと時代小説が目につきやすくなります。

     

    例えば、商店街を2人で歩いていても、その2人の目に止まる店は違います。飲むのが好きな人であれば、居酒屋が目に止まりやすいでしょうし、カフェが好きならカフェが目に止まりやすいでしょうし、雑貨が好きなら雑貨屋が目に止まりやすくなります。

     

    つまり、そういうことなのだと思います。

     

    現実の探偵に人は興味がないのです。というよりも、現実の探偵と自分とを結びつけることがないのかもしれません。存在していても、存在していなくても、関係がない。だから、探偵事務所を見つけることができず、探偵の情報を探そうという人も少ないのでしょう。

     

    情報というのは、興味のある人がいれば、自然とそういったサイトが増えていくものです。その業界の人が情報を提供するだけではなく、全く関係のない人であっても、人気があるのであれば、自分なりにその業界を調べてネットなどで公開しています。

     

    例えば、映画の口コミ・感想などもそうです。映画の口コミや感想を書いている人は、その映画の回し者ばかりではありません。一般の人もたくさんいます。電化製品だったり、食品だったり、施設だったり。そう言った口コミ・感想も同じです。もちろん、ステマのような人たちが、故意に書いているものもありますが、全部が全部そうだというわけではありません。

     

    他にも、保険やサービス系の物に関してもそうです。覆面調査を行っている人もいれば、単純に自分がそう思ったからということで書いている人もいます。

    どうしてこんなことをするかというと、そういうことを書いておけば、読む人がいるからです。ネットはアクセス数を稼ぐことができれば、それだけでお金にもつながります。

     

    ですが探偵の場合はそうはなりません。

    元々のパイが少ないということもありますが、探偵に依頼をする内容の特性から、口コミが難しいと言えます。

     

    探偵に相談をする内容は、基本的には他の誰かに秘密にしておきたいものが多いからです。例えば、夫の浮気調査を依頼して、○○探偵事務所に依頼をしたら、とてもスマートに調査をしてくれて、親身になって対応してくれました! というようなことを、書けるでしょうか?

     

    匿名ならまだ書けるかもしれませんが、浮気調査を依頼しているということは、相談者は浮気をされているということです。そんな精神状態で、口コミを書く、というのも違和感があります。

     

    探偵に依頼したら、夫が本当に浮気をしている証拠を見つけてくれました。とても嬉しかったです。というような内容も違和感がありますよね。もちろん、ずっと離婚を考えていて、どうにか慰謝料を取りたいと考えている人だったら口コミを書くかもしれませんが、それでも証拠が手に入ったら口コミを書く前に、裁判所に証拠を持って行って離婚裁判をする方が先です。

     

    そう考えると、やはり探偵事務所の口コミ・感想というのは不自然さがあります。だから、一般の人の意見というのは、ネット上を探しても、他の業種に比べて少ないのです。

     

    探偵の情報が他の職業に比べると情報が少ないのは、こういった背景もあります。まず、見る人が限定的であること、相談者が切羽詰まっている状況のため口コミをしようとはしないこと。

     

    それに探偵という職業柄、守秘義務があるため、探偵自身も依頼人のことを外に向けて発信ができません。だからどうしても、探偵に関する情報は少なくなってしまうのでしょう。

     

    探偵事務所を探すときには、探偵事務所のHPを見る前に、当協会のような探偵事務所が多く加入している協会で書かれていることを参考にした方が、よりよい探偵事務所を見つけることができるでしょう。

     

    東京都調査業協会

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