2022-04-13

    探偵なら、お金を積んで依頼をすれば何でも受けてくれると思っている人は、未だに一定数いるようです。

     

    また、依頼している内容が、実は犯罪だということを理解せずに、探偵に相談を持ち掛けてくることもあります。

     

    こういった噂がなくならないのは、真っ当ではない探偵事務所が存在しているからと言わざるを得ません。

     

    探偵の届出を公安に提出し、真っ当な探偵業を営んでいる探偵事務所であれば、これは犯罪に加担することになるというような相談は、どれだけお金を積まれても、どれだけ真剣に相談をされても受けるようなことはしません。

     

    正当性があるかないかで、ちゃんとした探偵事務所なのか、探偵事務所の看板を掲げる悪徳業者なのかの違いがあります。

     

    では、どういった相談内容が正当な依頼ではないのでしょうか?

    このコラムでも何度か書いていますが改めてご紹介します。

     

    ・別れさせ屋関連の依頼

    2001年にドラマで放送された「別れさせ屋」がきっかけで、その存在が一般的になりました。あるカップルを別れさせたり、復縁工作をしたり、復讐工作をしたり、そういったことがドラマで行われ、そういうことをしてくれる業者が実際にいることを知った一般の人が、ネットで検索をし、探偵事務所に依頼をするという流れもできました。

     

    ですが、真っ当な探偵事務所であれば、そういった依頼は受けていません。

    別れさせたり、復縁をさせたり、復讐をしたりという行為は違法ですし、探偵の倫理に反しています。

     

    ただ、別れさせ屋のようなことをしてほしいというニーズは高いため、探偵事務所の看板を掲げながらもホームページなどで「別れさせ工作をします」と明記している事務所も存在しています。

     

    どんなに別れてほしいと願っていても、こういうことを書いている業者のところへは依頼をしないようにしましょう。正当な業務ではないということは、違法だということです。依頼をしただけであっても、犯罪者になってしまう危険性があるので、十分に注意してください。

     

    ・盗聴盗撮やストーカー行為の手助け

    探偵は浮気調査や信用調査などで相手を尾行したり、証拠写真を撮ったりしています。ですが、それは盗聴盗撮には当てはまらないように最善の注意をしています。

    例えば夫婦関係で、夫が妻の、妻が夫の調査を依頼してきたのであれば、探偵はその依頼を受けますが、恋人同士の場合や片思いの相手の場合には調査をお断りしていることがほとんどです。

     

    なぜなら、本当に恋人なのかどうかを確認することができないからです。一方的に恋人だと言っているだけの人の依頼を受け、相手がどんな行動を取っているのかの調査をするということは、ストーカー行為の手伝いを探偵がすることになってしまいます。もちろん片思いの場合は論外です。

     

    また、人探しの場合でも、行方不明の恋人を探してほしい、というような調査もお断りしています。元夫婦の場合も同じです。現在も夫婦の場合は、対象者にこの人から依頼を受けたけれど、会いますか?というような確認をしています。DV被害などで逃げているという可能性もあるからです。

    ただ人探しに関しては、親子であっても、対象者には探されていることを伝えるのが一般的です。行方をくらましている人にも、それぞれ事情があるためです。

     

    また盗聴に関しては、どういう依頼内容であったとしてもお断りをしています。盗聴器をつける行為は犯罪です。探偵は盗聴器を使っているというイメージを持っている人もいますが、それは物語の中だけの話です。ただし、盗聴器を探すという依頼は受けております。

     

    ・電話やメールなどの発着信の履歴やメール内容を開示する行為

    よく刑事ドラマなどで行われていることですが、これは一般の人がしていい行為ではありません。もちろん探偵も同じです。対象者となる人物の携帯電話を盗み見したりすることも、プライバシーの侵害に当たります。

     

    よく嫉妬深い人が、恋人の携帯電話を勝手に見るということを聞いたりしますが、実はあれもプライバシーの侵害です。携帯を見られた側が訴えれば、勝つことはできるでしょう。

    グレーゾーンとしては、恋人がテーブルの上に携帯電話を置きっぱなしにしており、その時にたまたま着信やメールなどが来て、誰から来たのかが見えてしまったというのであれば、罪には問われません。

    ですが、相手の鞄やポケットから携帯電話を取り出し、見るという行為はグレーゾーンには当たりませんので、ご注意ください。

     

    探偵に相談をする方でも、たまにいらっしゃるのですが、対象者が電話をしている相手を探ってほしいと言って、発着信の履歴を要求する方もいます。ですが、それをすれば犯罪行為になるので、できません。

    もしできると言ってくる探偵がいたら、気を付けたほうがいいでしょう。

     

    ・発信機を車などに取り付ける行為

    GPSを相手の鞄に入れたり、車につけたりすれば、相手がどこで何をしているのかは、すぐにわかります。ですが、こういった行為は、無断ではしてはいけないことです。

     

    探偵は尾行調査を行うため、発信機を相手につけるのは違法ではないと思っている人も多いのですが、それは違います。また有名な探偵漫画でも、よく相手に発信機をつけて追跡をしていますが、あれも現実で行えば犯罪になってしまう行為です。

    ただし、発信機をつけることの許可を頂いていれば、問題はありません。無許可で取り付けることに問題があるということです。そのため、発信機をつけられるのは、夫婦や親子などの場合によるということになります。それ以外の調査では、発信機をつけることはできません。

     

    以上のような行為が、真っ当な探偵事務所であればお断りをする行為です。今回上げた4つの行為は、どれも探偵が日常的に行っていることだと思われていることではないでしょうか?

     

    そのため、相談者側が4つの行為に関わることをお願いしても、探偵側が4つの行為に関わることを提案してきても、違和感がないかもしれません。ですが、これらは全て法に触れる行為です。

     

    真っ当な探偵事務所であればお断りをしていることですので、もしこういったことを平然とする業者と巡り合ったら、依頼だけはしないように気をつけましょう。

     

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