2019-09-26

    探偵の一般的なイメージは、まだまだ後ろ暗いところがあります。そのため、依頼者側も探偵に相談すれば、どんな内容であっても引き受けてくれるだろうと思っていないでしょうか?

     

    中には、非社会派勢力と手を組んで法律的にも問題のある仕事を受けている探偵もいますが、彼らはいわゆる悪徳探偵と言われる人たちで、一般の探偵とは一線を引いています。

     

    では、一般の探偵は、普通の依頼人からの依頼であれば、どんなものでも受けてると思いますか?

     

    一般的な浮気調査であれば、その依頼を断る探偵はいませんが、素行調査の場合はその内容を聞いてから断っていることもあります。それは何だと思いますか?

     

    企業に入社する社員や娘・息子の結婚相手のこと知りたい親は、時として素行調査を探偵に依頼してきます。

     

    企業に入社する社員であれば、非社会派勢力とつながっていないか、薬物は使用していないかなどの確認をしたいと思う企業はあるでしょう。その確認をするために、探偵に依頼することは何ら問題ありません。

     

    ただ、入社する社員の本籍地を調べたり、両親の本籍地や職業も調べてほしいと言ったりしてくる企業もあります。

     

    一見すると、何の問題もない依頼のようですが、この項目についても調べてほしいと言われた探偵は、依頼を断るか、この項目についてだけは受けられないと答えるでしょう。

     

    それはなぜだと思いますか?

     

    娘や息子の結婚相手の素行調査の場合、親は大事な子どもが結婚して幸せになってほしいと願っているので、変な相手とは結婚させられないという思いがあります。

     

    そのため、探偵に対して、結婚相手のこれまでの恋愛遍歴を調べさせたり、現在付き合っているのは本当に娘や息子だけなのかを調べさせたりすることがあります。これは、親として子どものことを心配しているからこその依頼だと思うので、探偵も問題なくその依頼を受けるでしょう。

     

    ですが、企業に入社する社員の素行調査と同じく、結婚相手の本籍地を調べてほしいと言ってきたり、結婚相手の両親の本籍地や職業を調べてほしいと言ってきたりした場合は、やはり依頼を断っているか、この項目についてだけは受けられないと答えています。

     

    この三つの項目には、ある問題が含まれている可能性があるためです。

     

    それは差別問題。

     

    これを聞いてピンと来た人は、現在にもはびこっている日本の問題を知っている人でしょう。これを聞いても、何も思い当たることがない人は、日本の現状を知らない人と言えます。

     

    現在の日本において、まだまだ差別問題は根強く残っています。

     

    日本に訪れる外国の人が増えているのに、日本人ではない人が道を歩いていると、いまだに目で追ってしまう人がいたり、じっと見つめてしまう人がいます。

     

    白人や黒人の外国の人であれば、見た目だけですぐに黄色人の日本人とは違うことがわかるので、外国人だと思って、そういった目で見てしまうのが日本人です。

     

    本人は差別をしているつもりはなくても、自分たちと違うことに対して好奇な目を向けているのではないでしょうか?

     

    その行為自体が、すでに差別ととられることもあります。

     

    また、同じ黄色人であるアジア系の人の場合、ぱっと見ではわからないものの、会話を聞いて流ちょうな日本語を話していないと、やはりジロジロと相手を見てしまうのが日本人です。

     

    こんな経験はないでしょうか?

     

    とある街に行って信号待ちをしている時に、

    「ここってさ、外国人ばっかじゃね?(笑)」

    「日本ももう終わりだよな(笑)」

    というような若者の会話。

     

    海外にあまり触れあっていなかった60代以上の世代の人が話しているのであれば、そういう世代だったんだなと思うことはできても、今の20代でも同じようなことを言っているというのは問題です。

     

    また、日本人のアジア人に対しての偏見も強く残っており、入社する社員や結婚相手が日本ではないアジア人だった場合、人柄や能力ではなく人種が日本人とは違うのでNGとしているところもあります。

     

    ですが、日本人が差別をしているのは、外国人に対してだけではありません。表面的にはなくなったとされている同和問題。

     

    この言葉を知らない人であれば、その人たちを差別しようがないので問題ありませんが、この問題はまだまだ根強く残っています。

     

    同和問題は江戸時代から残る、日本の悪い風習の一つです。

     

    その人の本籍や両親の本籍、両親の職業を知ることで、部落出身の人だということがすぐにわかってしまいます。

     

    そして、その人に何の問題がなかったとしても、部落出身というだけで就職をさせなかったり、自分の娘や息子と結婚させないという親が今もいます。

     

    東京都で部落問題についてアンケートを毎年実施しているのですが、そこでの回答でもやはり部落出身というだけで、その人を入社させない、娘や息子と結婚させない、結婚したくないと答える人が増えているという現状があります。

     

    こういった差別行為は、決してあってはならないことです。そのため、探偵でも差別をする人の手助けになるような調査は一切受けません。

     

    依頼をする人の中には、その項目が差別につながることだと理解していない人もいるため、そういった相談を受けた際には、探偵側がキチンと依頼人に説明をしています。それで理解をしていただけない場合には、依頼自体を断ることもあります。

     

    差別と探偵は何の関係もないように思うかもしれませんが、探偵は違法になることをしないだけではなく、差別行為にも加担しません。

     

    その他にも探偵が依頼を受けない場合があります。それは、素行調査で対象者の現在の住所と交友関係、普段の行動を調べてほしいと言われた場合です。

     

    一見、普通の依頼のように感じるかもしれませんが、浮気調査で対象者の浮気相手の住所が知りたいと言われるのと、対象者の住所が知りたいと言われるのでは、大きく意味が違ってきます。

     

    対象者のことを知っているのであれば、たいていの場合自分で住所を聞くことができるのに、それができないのはなぜでしょうか?

     

    これは、依頼人が対象者のストーカーの可能性があります。また、依頼人の中には、自分がストーカーだと宣言してくる人もいます。そういった場合、探偵事務所では依頼を受けません。

     

    このように、差別や犯罪につながるような依頼は受けないのが普通の探偵です。どんな依頼で儲けるのが探偵という認識は違っていますので、ご注意ください。

     

    東京都調査業協会へ

会員一覧と地域別のご紹介はコチラから

一般社団法人東京都調査業協会では、消費者の皆様から調査に関するご相談、ご依頼を承る
『消費者調査サポートセンター』を設置しております。この『消費者サポートセンター』では、
当協会において一定の基準を満たした優良な会員がご相談を担当させて頂いております。
フリーダイヤル及び無料相談コーナーの無料サポートをご利用下さい。

協会のご案内
正しい探偵社の選び方
メールの無料相談はコチラ
Short Message