探偵は証拠を掴むために尾行をしているという認識を持っている人が多いのではないしょうか。そして警察とは違い探偵がやってOKなら、他の人がやっても罪に問われるはずがない、そう思っていませんか？

　

今回は、プロの探偵と素人探偵（一般の人）の違いについて、お伝えしたいと思います。

　

その１　素人探偵は尾行になれていないため失敗しやすい

　

尾行は誰でもできるもの、と思っている人もいるのですが、そんなことはありません。プロの探偵は、研修や練習（先輩探偵を尾行する）をして日々特訓をしています。

　

どうすれば対象者に見つからずに尾行することができるのか、どうすれば対象者を見失わずに尾行することができるのか。

　

これらは日々の鍛錬の結果できるようになることなのです。

かくいう私も、新人の頃に尾行の練習で先輩探偵をつけましたが、最初は怒られたものです。

　

「あんな尾行の仕方ではすぐにばれてしまう」

「スマホにばかり頼りすぎ」

「距離が近すぎる」

などなど。

　

ドラマのように電信柱に隠れるような人はいないと思いますが、尾行の際の対象者との距離感というのは、意外と難しいものです。

　

また、対象者によっては、道を歩いていると思った次の瞬間に、タクシーに乗ってしまうこともあります。その時、運よくタクシーを見つけることができても、素人のタクシー運転手に「前の車を追ってください」なんて言っても、怪しまれるのがオチでしょう。今の時代であれば、もしかしたら警察に連絡されてしまうかもしれませんね。

　

このように、素人探偵には難しいことが多いのです。

　

その２　ストーカーとして訴えられてしまう

　

大事なところなので覚えていてほしいのですが、素人探偵には人を尾行する権限はありません。

　

知らない人も多いのですが、プロの探偵は探偵業を営むときに公安に届出を出しています。実はこの届出を出すことによって、国から人を調査することを認められているのです。

　

素人探偵は当然のことながら、届出など出していませんから、配偶者以外の人を尾行するということは、ストーカー法に触れ、尾行がバレた際に対象者に訴えられれば、勝ち目はありません。

　

もし、「うちの夫が浮気しているかもしれないから、尾行してくれない？」と友人や知人に頼んだ場合、その友人が警察に捕まるなんてことも可能性としてあります。

　

また恋人同士だった場合も同じです。彼女が浮気しているかもしれないからといって尾行する彼氏は、尾行がばれると彼女にストーカー法違反で訴えられてしまう危険性を、はらんでいるということを忘れないようにしてください。

　

実際に、訴えられたという事例もあります。

　

その３　尾行が対象者にバレる

　

素人探偵が尾行をしていて、対象者を見失い、どこに行ったのかわからなくなった。というのであれば、まだ傷は浅い方です。

　

問題は対象者に尾行している人が誰なのかがバレてしまうこと。夫を尾行しているのが妻であれば、ストーカー法違反にはなりませんが、夫に「自分は妻に浮気を疑われている」ということがバレてしまいます。

　

疑われていることを知った対象者は、次にどういう行動に出ると思いますか？

　

しばらくは、愛人と会うのを控えたり、外を歩く際には決定的な証拠写真を撮られないように細心の注意を払うようになるでしょう。

　

そうなってしまうと、たとえプロの探偵に依頼をしたとしても、確固とした証拠を上げるのは至難の業になります。

　

そもそも浮気相手と会わないようになってしまえば、どんな敏腕探偵でも証拠写真を撮ることが不可能なのはわかりますよね。

　

浮気の証拠を本気で掴みたいと思っているなら、初めからプロの探偵に依頼した方が無難です。

　

その４　鮮明な証拠写真を撮ることができない

　

浮気の証拠写真というのは、裁判で使うことを目的として撮られています。そのため、決定的な証拠、例えばホテルの名前が入っていて、その中に対象者と相手が一緒に入っていく姿が映っていなければいけません。

　

この時の写真が、ぼやけていたり、ぶれていては、「鮮明な写真」とは言えず、裁判の時には使えない写真になります。

　

素人探偵では、その事実も知らなければ、そもそも鮮明な写真を撮ることもできないでしょう。確実な証拠写真を撮るには、技術はもちろんですが、機材の問題もあります。

　

プロの探偵は、最高の機材を整えているので、遠くからでも鮮明な写真を撮ることができるという利点があるのです。

　

もちろん、一般的に売られている望遠のレンズを使って、対象者たちに近づいて写真を撮れば、鮮明な写真を撮ることはできるかもしれませんが、どれくらい離れていないと対象者に写真を撮られていることがバレないのかということを知らなければ、意味のないことです。

　

その５　連係プレイができない

　

一般の人は、探偵が調査をする時に1人で尾行をしていると思っている人が多いのですが、その認識は間違っています。

　

浮気調査でも大体3人ぐらいで連携をしながら、対象者の尾行をしています。そのため、尾行が長時間になったとしても、誰か一人は休憩ができますし、複数の目で対象者を尾行しているため、見失う危険性が少ないというメリットがあるんです。

　

ですが、さっきも書きましたが、一般の人は尾行は一人で行うものという認識があるため、素人だというにもかかわらず、全てのことを1人で行おうとしてしまいます。

　

尾行というのは、想像しているよりもはるかに大変な仕事です。「対象者の後をつけるだけでしょ」なんて、簡単には言えないぐらいの体力を使います。

　

実際、プロの探偵たちは日々自己鍛錬をしており、体力づくりをしているって知っていますか？

　

突発的な対象者にも対応できるように、どんな過酷な尾行であってもついていけるように鍛えているのです。

　

それを素人探偵に求めることができないのは分かりますよね？

　

また、「プロの探偵が複数人でチームプレイをしているなら、素人探偵もチームを組めばできるんじゃないか？」なんて思っていませんよね？

　

チームプレイをできるようになるためには訓練が必要です。これも高度な技ですので、素人探偵が1日や2日でマスターできるものではありません。

　

このように、プロの探偵じゃないとできないことがある、というのが本当のことです。調査してほしい、と思ったら、自分や知人に頼らず私たちに連絡をして下さいね。