2016-09-26
第22回:《詐欺》ワンクリック詐欺
(一社)東京都調査業協会の相談電話に「ワンクリック詐欺に遭い、多額の請求を受けたのでA調査会社に依頼しましたが、大丈夫ですか。」若しくは「これからB調査会社に依頼しようとしているのですが、大丈夫ですか。」等の問い合わせが増加しております。
一般的にワンクリックに対して法外な料金請求は詐欺罪が成立するか否かは微妙なところです。詐欺罪の成立については別として、依頼者の心境は法外な請求から逃れるため、調査会社に依頼するのが本音です。
しかし、調査会社がこの様な依頼を受けてどの様な対応が出来るのか、不思議でなりません。殆どの調査会社では弁護士資格を有して無い筈で、単なる調査のための聞き込みであれば調査会社でも業務として受理できますが、相手との交渉権は皆無です。
過去の例を見ますと、調査会社が依頼を受けて請求先会社の登記簿謄本を入手、登記簿謄本で判明した代表取締役宅の写真撮影で結果報告しておりました。
これでは依頼者は納得出来ず、調査料金10万円位に対して民事訴訟を起こす金額でも無く、ただの泣き寝入りで済ませることが多々ありました。
突然の高額請求に驚いた依頼者の足元を見透かして悪徳商法を重ねる調査会社は各社のホームページで判断することは可能ですが、消費者はその見極めが厳しいものと思われます。業界の一員として悪徳業者の一掃を願ってやみません。
京葉総合リサーチ 森宗 悟